使い捨て型打ち上げ機 (ELVs)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 01:14 UTC 版)
「ケネディ宇宙センター」の記事における「使い捨て型打ち上げ機 (ELVs)」の解説
1958年の設立以来、NASAと軍はロボットによるミッション の打ち上げに関して協力し合って活動し、この分野における事業が始められた。1960年代初頭、NASAは一か月につき2回程度のロボットによるミッションの打ち上げを行っていた。飛行を頻繁に重ねることで、打ち上げ機は急速な発展を遂げ、技術者がデータを集めては、異常から学び、改良が施されてきた。1963年には、ケネディ宇宙センターの目的で、ELV事業が地上の支援設備及び施設に重点を置くことになり、独立したアトラス/セントールの組織がNASAのルイス研究センター(現在のグレン研究センター)の下に置かれ、打ち上げ運用センター(現在のケネディ宇宙センター)に代わって担当するようになった。ロボットを使ったミッションのほとんど全てがケープカナベラル空軍基地 (CCAFS) から打ち上げられたが、ケネディ宇宙センターは、ケープ(カナベラル)にロケットが到着すると、その組み立ての最終段階と試験を監督した ("oversaw the final assembly and testing of rockets as they arrived at the Cape")。1965年には、ケネディ宇宙センターの無人打ち上げ運用部 (Unmanned Launch Operations Directorate) は、NASAの無人打ち上げ運用のすべてを担うようになった。その中にはヴァンデンバーグ空軍基地での打ち上げ運用も含まれていた。1950年代から1978年まで、ケネディ宇宙センターは米国内で実施されるすべてのロボットによるミッションの打ち上げのためのロケットとペイロードの整備施設を選定し、打ち上げ日が近づくとそれらの整備と点検を監督していた。政府のミッションに加えて、ケネディ宇宙センターは商業ミッションや外国のミッションのためにもこのサービスを実施した。ただし、米国政府以外の事業体は費用の補償を提供した。また、NASAはケープカナベラル空軍基地に出資して、発射台のメンテナンスや打ち上げ機の改善に寄与した。 これらはすべて、1984年の商業宇宙打ち上げ法(英語版)によって変更された。法の制定以後、NASAはNASA自体及びアメリカ海洋大気局 (NOAA) のELV打ち上げを調整するのみとなった。その分、企業はその独自の打ち上げ機を運用して ("operate their own launch vehicles") 、NASAの打ち上げ関連施設を活用することが可能だった。ペイロード整備は民間企業により運営されるなど、ケネディ宇宙センターの外で行われ始めた。レーガン大統領が1988年に示した宇宙政策では、この仕事に関わる動きをケネディ宇宙センターから営利企業に促進した。同じ年には、ケープカナベラル空軍基地の発射施設をNASAから空軍による管理へ移すことが始まった。 1990年代には、ケネディ宇宙センターは実地のELV事業を行っていなかったが、技術者たちはまだELVについての理解を維持しており、打ち上げ機に関する見識を示せるような契約を結んでいたことで、それを熟知した監督をすることができたのだった。ケネディ宇宙センターはまた、ELVの研究と分析に関する仕事をし、請負業者らは、技術的問題に直面したときの人的資源として、ケネディ宇宙センターの人員を活用することができた。ケネディ宇宙センターは、ペイロード及び打ち上げ機の産業と共に、ELVの打ち上げ及び地上での運用の自動化に関して先進的な技術を開発したのだが、これには米国のロケットの世界市場に対する競争力を向上させることを可能にするという狙いがあった。 1998年、ケネディ宇宙センターで打ち上げサービスプログラム(英語版) (LSP) が結成され、ケネディ宇宙センター、グレン研究センター、ゴダード宇宙飛行センターなどで既に存在していたプログラム(及び人員)の協調を図り、NASA及びNOAAのロボットによるミッションの打ち上げを管理しようとした。ケープカナベラル空軍基地とヴァンデンバーグ空軍基地はLSPミッションのための第一の発射場であるが、その他の発射場も時折使用される。マーズ・サイエンス・ラボラトリーのようなLSPのペイロードは、ケープカナベラル空軍基地の発射台に移動される前に、ケネディ宇宙センターで整備されている。
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