他ジャンルとの関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 16:14 UTC 版)
アニメ界では1977年放送の『女王陛下のプティアンジェ』、1982年放送の『魔法のプリンセス ミンキーモモ』、1983年放送開始のぴえろ魔法少女シリーズ『魔法の天使クリィミーマミ』を皮切りに「大きいお友達」と呼ばれる視聴層が女児向けアニメに流入するようになり、1984年夏には中島史雄原作のアダルトアニメ『仔猫ちゃんのいる店』がワンダーキッズから発売され、続いてフェアリーダストから美少女アニメの金字塔『くりぃむレモン パート1 媚・妹・Baby』(パート3『SF・超次元伝説ラル』およびパート10『STAR TRAP』には『シベール』出身の計奈恵と孤ノ間和歩も原作・キャラクターデザイン・作画監督などでアニメーション制作に参加している)がリリースされるなど、漫画・アニメ・雑誌・同人誌・ゲーム・SF大会・三流劇画・官能小説・ラブコメ・OVA・ロリータビデオ・ロリコンショップ・少女ヌード写真集にまたがる複合的な流れが「ロリコンブーム」として形成されていく。 この流れは美少女ゲーム業界にも波及し、PSKからは吾妻ひでお風の絵柄を採用したアダルトゲーム『ロリータ(野球拳)』(1982年12月)や『不思議の国のアリス』をモチーフにしたアドベンチャーゲーム『ALICE』(1984年7月)がリリースされ、同時期にはエニックス(現・スクウェア・エニックス)からも『マリちゃん危機一髪』(1983年2月発売。ダイナミックプロの槙村ただしが原画担当)や猟奇作品『ロリータ・シンドローム』(1983年10月発売。学習漫画で知られる望月かつみが制作。1985年3月に光栄から発売された続編『マイ・ロリータ』は前作を上回る過激さからエニックスに販売拒否される)といった話題作・問題作もリリースされ、いずれも好セールスを記録した。 ちなみにロリコン漫画における「美少女=ロリータ」というイメージは、漫画やアニメの受容年齢層の上限が拡大したことで現れた「漫画・アニメ調のかわいい絵柄でセクシャルな漫画が読みたい」という「劇画に対して劣勢であった手塚系漫画絵の復権運動におけるアイコン」として祭り上げられたものに過ぎず、別にロリコン縛りである必然性もなかったが、当時の出版業界・写真業界ではロリコンブームの実質的な火付け役となった山木隆夫撮影『Little Pretenders 小さなおすまし屋さんたち』(ミリオン出版/1979年1月)や石川洋司撮影『les Petite Fees ヨーロッパの小さな妖精たち』(世文社/同年11月)といった少女ヌード写真集が大流行しており、版元にとってもセールスしやすいネーミングとして現在の「萌え」に相当する言葉の不在から「ロリコン」という呼称が美少女作品全体を集約・包括するキャッチコピーとして便宜的に用いられたとみられている。また志水一夫は「ロリコン」という言葉がアニメ雑誌で初めてクローズアップされた米沢嘉博の記事「病気の人のためのマンガ考現学・第1回/ロリータ・コンプレックス」(みのり書房『月刊OUT』1980年12月号掲載)で意味が曖昧なまま「ロリコン」という言葉だけが世に広まった結果、本来「ロリータ・コンプレックス」とは異なる対象までも「ロリコン」と呼ばれるような状況が生み出されてしまったと指摘していた。
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