仕分け対象のその後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 01:16 UTC 版)
「事業仕分け (行政刷新会議)」の記事における「仕分け対象のその後」の解説
詳細は「京 (スーパーコンピュータ)」を参照 次世代スーパーコンピュータプロジェクト『京』は、事業仕分けの評価結果「予算計上見送りに近い縮減」(事実上の凍結)と判定された。しかし、複数のノーベル賞受賞者をはじめとする各界からの強い批判を浴び、政府は「必要な改善を行いつつ推進」と評価を見直した。これに伴い計画が変更され、スーパーコンピュータを開発者視点から利用者視点へ転換、開発加速のための経費110億円削減、10ペタFLOPS級達成時期が2011年11月から2012年6月となった。また、次世代スパコンと自律分散する国内のスパコン(独法、大学等)をネットワークで結び、国内の様々なスパコンから次世代スパコンを利用できる環境を構築することで、利用者数を1000人から2万人に増やす計画が追加された。「京」は様々な性能ランキングで世界トップクラスの性能を示した。2021年3月に新しい「次世代のスーパーコンピュータ」として『富岳』が稼働を開始し、2021年11月にスーパーコンピュターランキングで世界初の4期連続4冠を達成した。 詳細は「はやぶさ2」を参照 また、「はやぶさ」の後継機である『はやぶさ2』の予算も「15億円の要求に対し、3000万円にまで減額」されプロジェクトの破綻寸前に陥った。しかし、2010年6月13日に「はやぶさ」が世界初の小惑星からの地球帰還を達成すると、閣僚からは偉業として絶賛する発言が相次ぎ、2011年度の予算では増額を検討する意向も示された。はやぶさ2は2014年12月3日に打ち上げられ、回収カプセルは2020年12月6日に帰還してサンプルリターンに成功。はやぶさ2本体は地球を離れ、別の小惑星へ向かう拡張ミッションに移行した。 詳細は「スーパーカミオカンデ」を参照 小柴昌俊の2002年ノーベル賞受賞研究の元となったカミオカンデの次世代機『スーパーカミオカンデ』は、仕分けグループによる評定の結果「廃止6名、縮減6名、要求どおり2」となり、予算の縮減が決定した。研究者からは「世界トップとなった日本のニュートリノの研究が二流、三流となってしまう」とされた。2015年に同施設研究グループの梶田隆章が「ニュートリノが質量をもつことを示すニュートリノ振動の発見」によりノーベル物理学賞を受賞。今後の計画としては、スーパーカミオカンデの5倍の規模(タンク体積26万トン)になる『ハイパーカミオカンデ』が2021年に着工されており、2027年の実験開始を目指している。
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