次世代スーパーコンピュータプロジェクト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 09:46 UTC 版)
「スーパーコンピュータ」の記事における「次世代スーパーコンピュータプロジェクト」の解説
詳細は「京 (スーパーコンピュータ)」および「事業仕分け (行政刷新会議)#科学関連」を参照 2006年より文部科学省は、地球シミュレータに代わる次期NLSとして、「次世代スーパーコンピュータプロジェクト」を開始した。当初計画ではベクトル・スカラー複合機を開発して、「2012年に10ペタFLOPS」を達成し、実質的にTOP500の1位を目指す内容であった。 しかし2009年2月にアメリカで「2011年に20ペタFLOPS」を目標とするセコイアが発表され、予定通りとなれば「日本の1位奪還」にはならない見込みとなった。2009年5月にはNEC・日立が経営不振を理由に同プロジェクトから撤退し、3社によるベクトル・スカラー複合型から、富士通単独によるスカラー型へ設計変更された。 同年11月13日には行政刷新会議の「事業仕分け」で、当プロジェクトは「予算計上見送りに近い縮減」(事実上の凍結)と判定されたため多数の議論が行われたが、政府は判定を見直し、12月16日には2010年度予算に227億円の計上を決定した。 構築途上ながら2011年6月の時点において、LINPACKベンチマークの実行性能8.162ペタフロップス、実行効率93.0%を達成。2位と比べて3倍以上の実行性能を発揮し、TOP500の1位を獲得した。さらに2011年11月2日、最終構成を用いたLINPACKベンチマークの実行性能が10.51ペタフロップス(実行効率93.2%)となり、世界で初めて実行性能10ペタフロップスを超えるコンピュータとなったことを発表した。セコイアは計画より1年遅れて2012年になって稼働し、京の性能を上回った。 ビッグデータと呼ばれる膨大な情報の処理に関係する国際的なスパコン性能ランキング「グラフ500」では、2015年2期連続で世界1位を獲得した。 京の次期システムとして、TSUBAMEシリーズの設計者で理化学研究所計算科学研究センター長の松岡聡教授が率いる開発プロジェクトにて、ARMv8アキーテクチャーのCPU A64FXを新開発し、京の100倍程度高速なシステム(1エクサプロップスのシステム)を2020年に構築する予定。 2020年より試行運用、2021年(令和3年)に富岳として本格稼働し、2021年11月のTOP500、HPCG、HPL-AI、およびGraph500において4期連続の4冠を達成した。
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