人の上方、人を超えた存在としての天
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 10:49 UTC 版)
「天」の記事における「人の上方、人を超えた存在としての天」の解説
天は、天帝や神の住む所とされて来た。「天」は神の住む所とされてきたので、派生的用法として「天」だけで神を意味することもある。 死後に人の霊が行く場所。人が行ける神の世界に近い場所。天国。嬉しい気持ちを「天にも昇る気分」と言う。 仏教上での「天」の意味は、佛を守る役目をする神々のことをいい、「梵天」「帝釈天」「毘沙門天」「四天王」「金剛力士」「十二神将」「弁財天」等がある。 「天部」も参照 アイヌの「カント」も天と訳され、樺太アイヌ文化研究者の北原モコットゥナィによれば、天を除く、海や山奥にあるカムイモシリのカムイは送り返された後、さらに天=カントに行くことになっているとされ、カムイモシリの上の他界観としてある。 インド思想(インドの宗教)や西洋思想(西洋の宗教)が中国・アジアに伝わるにつれ、それらに含まれる、人を超えた存在を表す用語の翻訳にも、「天」の字が用いられるようになった。(仏教)。梵語(サンスクリット)で「svarga」と表現される、「神々の世界」を漢字に翻訳する時に「天」の字が用いられた。「天界」とも。 「天 (仏教)」も参照 六道のひとつで、人の世界よりは優れているが、まだ輪廻を免れていない領域。(なお、インド仏教の世界観では、下から順に言うと、「欲界の六天、色界の十八天、無色界の四天」という階層的な世界がある、とされている。) (キリスト教)万物を創造した唯一の神がいる世界、ラテン語で「cælum カエルム」、を漢字で表すために「天」が用いられている。「天主」とは神のこと。「天使」とは神の使いのこと。 (冒頭で説明したように)「天」の字は人の上方を示し、結果として漢字では「空」の字と意味が重なるところがある。 なお、天は蓋(ふた)のように世界を覆っているとする天蓋説や、卵殻形の天が地球(卵黄に相当)を囲んでいるとする渾天(こんてん)説がある。 天候も指し、結果として気象をあらわす文字としても頻用されている。(「晴天」「荒天」等々) 単純に方向を示す語としては、「北」がしばしば前方を指すのに対して、「天」は上方を指す。例:「天地無用」(上下を覆すな)
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