京都大学衛生学教室の調査とは? わかりやすく解説

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京都大学衛生学教室の調査

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 10:37 UTC 版)

八丈小島のマレー糸状虫症」の記事における「京都大学衛生学教室の調査」の解説

中浜調査により八丈小島バク呼ばれる病態は、下肢太くなる象皮病おもな症状であることが確認された。しかし、その原因について不明のままで、これを研究する医師学者その後しばらく現れなかった。 中浜東一郎に続く新たな研究者八丈小島訪れたのは、15年後の1911年明治44年9月であった調査行ったのは京都帝国大学衛生学教室所属する吉永福太郎帖佐彦四郎の2名である。当時、この京大衛生学教室講座)は松下禎二教授中心として日本各所散在していた象皮病流行地の分布状況、および疫学原因に関する研究行っており、吉岡帖佐の2名も松下教授教室所属研究者一員として八丈島および八丈小島象皮病調査赴いた当時日本医学界では象皮病成因ついていくつかの説があり、フィラリア糸状虫よるものとする意見多かった。その一方で糸状虫感染背景にあるとしても、皮膚肥大する直接の原因連鎖球菌であるとする考え方や、それがさらに進んでフィラリア糸状虫ではなく連鎖球菌のみに重点を置く研究者たちもいた。京大松下教授はその旗頭であり、同教室象皮病研究はいずれもそれを実証するためであった吉永帖佐も当然この説の支持者であり、八丈小島での調査連鎖球菌感染説の見地行われたことは否めないと、後年寄生虫学者の森下薫指摘している。 吉永帖佐八丈小島12名のバク病患者の血液検査昼間夜間それぞれ行ったものの、1例もミクロフィラリア認められなかったのに対し丹毒浮腫バク初期症状)を起こしている21名中、14名の患部および血液から純粋培養に近い状態で連鎖球菌認めた。よってこのバク丹毒発作病原菌であるのかを確かめるために、その微量、6名の患者皮下接種した結果自然に発生するものと同じ発作起きた次に加温殺菌して毒性弱めたものを76名の患者予防接種を行うと、発作の多い9月であったにもかかわらず少なくとも八丈小島滞在中には発作はまった起きなかったという。 これらの結果から吉永帖佐は、小島バク患者見られる連鎖球菌丹毒発作原因あり、か日本他地域実証したものと同じであって日本象皮病大部分連鎖球菌原因であるといって過言でないと結論づけている。 日本国内象皮病八丈小島症例含め連鎖球菌が主原因でなく、リンパ系フィラリアによるリンパ系器官閉塞がおもな原因であることは今日では明らかであるが、原因論とは別に吉永帖佐八丈小島得た臨床所見中には注目すべき事実があった。それは島民76名の患者の中で、既往歴聞き取り、および現段階において乳糜尿患うものは1人もいなかった点であった15年前に中浜東一郎陰嚢水腫患者1人もいなかったとする所見合わせ乳糜尿患者1人もいない事実確認された。

※この「京都大学衛生学教室の調査」の解説は、「八丈小島のマレー糸状虫症」の解説の一部です。
「京都大学衛生学教室の調査」を含む「八丈小島のマレー糸状虫症」の記事については、「八丈小島のマレー糸状虫症」の概要を参照ください。

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