事象 (確率論)とは? わかりやすく解説

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事象 (確率論)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/26 07:36 UTC 版)

確率論において、事象(じしょう、: event)とは、試行によって起こり得る結果をいくつか集めた集合で、確率があると考えられるもののことである[1][2]。特に、これ以上分けられない事象(1つだけの結果を含む事象)を根元事象(こんげんじしょう)という。

根元事象の確率全体がどれも等しいとき同様に確からしいという[3]。同様に確からしいのは、結果(事象)が有限個のときに限られる。例えば、ゆがみのないコインやサイコロを投げるときである。

事象に対してその事象が起こらない事象(集合でいう補集合)は余事象と呼ばれる。これらにより事象の生起を考えるベルヌーイ試行が定義される。

試行の結果全体の集合を標本空間(全事象)という。標本空間が高々可算集合の場合はどの部分集合にも確率が定義できる(事象空間は標本空間の冪集合に等しい)が、非可算集合の場合は確率測度で非可測の集合があるため、一般に事象とは、確率測度に関して可測である集合となる(詳細は#確率空間における事象を参照)。

サイコロを1回投げる試行において、標本空間 Ω を出る目全体としたときの事象の例。出る目が奇数である事象を A とすると、その確率は 3/6 = 1/2 である。

ジョーカーを除いた52枚のトランプからカードを1枚引くという試行において、根元事象は52枚のカード全てであり、事象は根元事象の和集合および空集合により得られる。標本空間とは根元事象全体の集合である。

(例)(括弧内の数字は事象持つ元の数)

  • 赤かつ黒である (0)
  • ハートの5である (1)
  • キングである (4)
  • 絵札である (12)
  • スペードである (13)
  • 絵札または赤である (32)
  • カードである (52)

どんな事象も集合なので、ベン図によって図示できる(右図)。標本空間 Ω 内のどの結果も同様に確からしいとき、事象 A の起こる確率は

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