上陸と占領
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 05:47 UTC 版)
アメリカの軍隊はナッソー砦で警報の大砲が発せられた音を聞くと、急襲が失敗したことを認識し、襲撃を中止した。艦隊の艦船はナッソーの東約6海里 (11 km) のハノーバー湾で再結集した。ホプキンスが作戦会議を招集し、新しい作戦が練られた。現在信頼されている証言に拠れば、ホプキンスの副官ジョン・ポール・ジョーンズが新しい上陸点とその作戦を率いることを提案した。ジョーンズはその作戦会議に出席した艦長達の多くとは異なり、その地域の海には不案内だった。上陸部隊はその地域に馴染みがあったカボーのトマス・ウィーバー中尉に率いられた可能性が強い。上陸部隊はさらに50名の水兵を追加し、3隻の艦船にワスプが支援船として従い、モンタギュー砦の南と東の地点に運んだ。正午から午後2時の間に上陸部隊は抵抗無く上陸を果たした。これがアメリカ海兵隊となった軍隊にとっての最初の上陸になった。 モンタギュー砦から分遣隊を率いて出たバーク中尉が反乱軍の行動を調査していた。その部隊は圧倒的に無勢だったが、反乱軍の意図を見定めるために休戦の旗を持った使者を送ることにした。このことから反乱軍の目的は火薬と軍需物資にあることが分かった。一方でブラウン知事は別の80名の民兵と共にモンタギュー砦に到着した。ブラウンは前進してくる敵勢力を知ると、砦の大砲3門に発砲させ、数人の兵士を残して残り全てがナッソーに後退するよう命令した。ブラウン自身は知事公舎に引き返し、民兵の大半も抵抗するまでもなく、自分達の家に戻った。ブラウンは反乱軍と2度目の交渉をするためにバーク中尉を送り出した。このときは「敵の指揮官に彼の用向きを知らせ、何の根拠でその部隊を上陸させたかを知らしめる」ためだった。 モンタギュー砦の大砲が発砲したことでニコラスは幾分心配になったが、その兵士達が砦を占領し、バークが到着したときには部下の士官達の次に移る行動について相談していた。彼等はバークに火薬と武器を取るためにここに来たのであり、町を襲う準備をしていると伝えた。バークは午後4時頃に戻ってブラウンにこの情報を知らせた。ニコラスとその部隊はナッソーに向けて前進するでもなく、その夜はモンタギュー砦に留まっていた。ブラウンはその夜に作戦会議を開き、火薬を移動させることに決めた。その深夜、200樽あった火薬のうち162樽がミシシッピ・パケットとHMSセントジョンに積み込まれ、午前2時にはナッソー港を出て、セントオーガスティンに向かった。ホプキンスがその艦船にハノーバー湾で安全に停泊させておくために、港口を見張る1隻の艦船も置かなかったために、ブラウンの行わせた妙技が成功した。 翌朝ニコラスの海兵隊は抵抗も無くナッソーを占領した。それはホプキンス代将が書いた文書が町中に配られた後だった。彼等は途中で町の指導者による委員会委員に出逢い、町の鍵を手渡された。
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