ロードプライシングの事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 20:59 UTC 版)
「ロードプライシング」の記事における「ロードプライシングの事例」の解説
シンガポール 詳細はシンガポールの電子道路課金(ERP (シンガポール)) 島国であるシンガポールでは、都心部の混雑緩和のために1975年に制限区域を設け、午前中の通勤時間帯の進入車両から通行料の徴収を開始した(その後、実施時間帯を昼間と午後にも延長)。導入当初は、紙製のエリアライセンスをドライバーが購入し車のフロントガラスに貼付け、それを制限区域の入口の監視所職員が目視でチェックしていた。人件費がかかり過ぎるため、1998年から料金自動徴収システム(電子道路課金、ERP)が導入された。これは、入口のゲート(ガントリー)の下をくぐると車内の車載器のキャッシュカードから料金が引き落とされる仕組みである。未払車両のナンバープレートはゲートの監視カメラから撮影されて罰金が請求される。 オスロ ノルウェー独特のフィヨルド地形のために高くつく道路費用と公共交通(地下鉄と路面電車)の整備費用をまかなう財源を確保するために、ベルゲン市は1986年1月から、オスロ市は1990年2月から市内中心部に通じる道に料金所を設置し、現金と自動車両識別 (AVI) タグによる課金(トールリングシステム)を開始した。トロンハイム市も1991年10月から始めたが2005年に終了した。 ロンドン 詳細は渋滞(混雑)課金制度(ロンドン市) ロンドンの慢性的交通渋滞の改善を公約に掲げ、2000年5月に初の公選ロンドン市長に選ばれたケン・リヴィングストン市長は、2003年2月17日にロンドン・インナー・リング・ロードの内側の官庁街や金融の中心シティー、多数の観光名所があるセントラルロンドン地区に渋滞(混雑)課金制度を導入した。平日の午前7時から午後6時30分までの時間に課金区域内で自動車を運転するドライバーは、全車種一律で1日5ポンドを課金される(原則的に前払) が、区域内の住民は9割減免、タクシーと二輪車・オートバイは課金対象外であり、課金対象でも緊急車両や代替燃料車両他など課金を100%割引される車両もある。市内各所の監視カメラが違反(未登録・未払い)車両のナンバープレートを読取・照合して取り締まる仕組みである。 ストックホルム スウェーデンのストックホルム都心2ヵ所で2006年1月から7月までの半年間、DSRC方式の自動料金収受 (ETC) による朝夕ラッシュ時20クローネの渋滞課金を試験運用に入り、2007年8月1日から正式運用が開始された。 ミラノ 大気汚染の影響の大きい車種に応じた金額設定で、中心市街地に進入する車による汚染物質発生の低減を狙った課金を2008年に始めた(エコパス(Ecopass)制度)。
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