ロシアの進出とは? わかりやすく解説

ロシアの進出

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 20:34 UTC 版)

カスピ海」の記事における「ロシアの進出」の解説

近代に入ると、北からロシア徐々に進出始める。1556年には北岸にあったアストラハン・ハン国ロシア・ツァーリ国イヴァン4世滅ぼし北岸支配下治めた。これに対しオスマン帝国アストラハン奪回のため兵を挙げ露土戦争起きたものの撤退しロシアアストラハン支配確定された。1668年にはスチェパン・ラージンヴォルガ川からカスピ海沿岸略奪しサファヴィー朝ペルシア領だった南岸ラシュトまで到達して劫略行った。しかし、ロシア本格的にカスピ海へと進出始めるのは18世紀初頭ピョートル大帝時代である。ピョートルカスピ海遠征軍派遣し調査行ってカスピ海地図刊行させるとともに1722年にはアストラハンカスピ小艦隊設置して制海権の確保乗り出した同年ピョートルサファヴィー朝宣戦布告しロシア・ペルシャ戦争勃発する当時サファヴィー朝は、まさにこの年首都エスファハーンギルザイ部族軍事政権占領され事実上滅亡状態にあったこともあってロシア優勢に戦争進め1723年にはサンクトペテルブルク条約結ばれたロシアデルベントバクーシルヴァン州、ギーラーン州マーザンダラーン州とアスタラーバードを獲得しロシア東岸荒れ地を除くカスピ海沿岸のほぼ全域手に入れたロシアカスピ海南岸手に入れたのは、この時が唯一である。しかしサファヴィー朝タフマースブ2世擁立したナーディル・シャーによって復興し勢力回復させつつあった。1732年露土戦争が迫る中、ロシアペルシャ同盟を結ぶためラシュト条約締結しサンクトペテルブルク条約取得した全ての領土ペルシャ返還することに合意しカスピ海南岸西岸は再びペルシャ領に戻ったその後1736年サファヴィー朝簒奪してアフシャール朝開いたナーディル・シャーの下、ペルシャは再びカスピ海南岸西岸支配確立する。この支配アフシャール朝衰退後ザンド朝、さらに1796年にそれを打倒しガージャール朝にも受け継がれる。しかし、この頃には国力著しく増大させたロシアが、再びグルジアジョージア)の支配巡ってペルシャ激しく対立するようになっていた。 1804年から1813年第一次ロシア・ペルシア戦争勝利したロシアは、1813年ゴレスターン条約によってカスピ海西岸ダゲスタンアゼルバイジャン獲得し1826年から1828年第二次ロシア・ペルシア戦争によるトルコマンチャーイ条約によって、カスピ海におけるロシア軍艦の独占通行権認めさせ、これによりカスピ海上はロシア制海権の下におかれた。西岸ロシア支配はこれで確立したが、東岸はいまだトルクメン諸部族支配下置かれていた。しかし、不凍港求めロシア伝統的な南下政策19世紀中盤にはこの地域にも及び、グレート・ゲーム呼ばれる中央アジアを巡るイギリス・ロシアの角逐の中で、徐々にこの地域への圧力強化していく。ロシアがこの地域本格的な併合乗り出すのは、1869年にはカスピ海東岸クラスノヴォツク現在のトルクメンバシ要塞建設したときからである。ここを橋頭堡としてトルクメニスタン地方へと進出し1873年には南岸除いたほぼ全域ロシアとなったロシアカスピ沿岸ザカスピ州を置き、1879年にはクラスノヴォツクから内陸へと走るカスピ海横断鉄道建設され1905年にはバクーからクラスノヴォツクを結ぶ鉄道連絡船開業した経済的には、1870年代にはバクー石油産業大発展を遂げた

※この「ロシアの進出」の解説は、「カスピ海」の解説の一部です。
「ロシアの進出」を含む「カスピ海」の記事については、「カスピ海」の概要を参照ください。

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