ルノー・R29とは? わかりやすく解説

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ルノー・R29

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/08 08:58 UTC 版)

ルノー R29
カテゴリー F1
コンストラクター ルノー
デザイナー ボブ・ベル
先代 ルノー・R28
後継 ルノー・R30
主要諸元
エンジン ルノーRS27
燃料 トタル
タイヤ ブリヂストン
主要成績
チーム INGルノーF1チーム
ドライバー 7. フェルナンド・アロンソ
8. ネルソン・ピケ
8. ロマン・グロージャン
出走時期 2009年
通算獲得ポイント 26
初戦 2009年オーストラリアGP
最終戦 2009年アブダビGP
出走 優勝 表彰台 ポール Fラップ
17 0 1 1 2
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ルノー・R29 (Renault R29) はルノーF12009年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。テクニカルディレクターはボブ・ベル2009年の開幕戦から実戦投入された。

R29

R29は2009年から導入される新空力規定、KERSの搭載などを念頭に開発された。モノコックに課されるクラッシュテストに一度不合格になったが[1]、当初の予定通り1月19日にポルトガルアルガルヴェで披露された。

新たなスポンサーとしてフランスのオイルメーカーであるトタルを迎えた。トタルのロゴは前後ウイング翼端板とフロントノーズに描かれた。カラーリングも2008年までは紺色が随所にあったが、R29はオレンジを基調としたカラーリングとなった。従来のエルフロゴもエンジンカバー後方部分のエギゾーストパイプ付近に描かれている(実際には、エルフは2000年にトタルに買収されており、実質同一メーカーである)。

3月にカタロニア・サーキットフェルナンド・アロンソがテスト走行するR29。ノーズ部分が変更を受けている

フロントノーズはR28より持ち上げられ、先端に行くほど太くなった形状で、ウイングステーから後方に向かってフロントサスペンション手前まで垂直フィンが下ろされていた。バージボードが制限されたため、代わりとして整流フィンの役割を担っていた。テストが進むにつれて新型パーツが搭載されるようになったが、垂直フィンがモノコックのノーズ付け根まで延長された[2]。また、フロントウイングの形状も、メインエレメントが翼端部分が下がった物に変更され、翼端板の形状も後方が広がる形に変更された。

サイドポンツーンは一部分が完全に絞り込まれずに後方まで続いている。これはリヤカウル内の排熱を促進するとともに、2008年まで使用されてきた数々の空力パーツの役割の代役として少しでもアドバンテージを得るようにデザインされている。

スペインGPから実戦投入されたシャークフィンはR29でも継続された。また、上方排気口がR26までと酷似した形状に戻された。

KERS徳永直紀が総責任者となり、マニエッティ・マレリと共同開発したもので、エンジンの前方にバッテリーと共に搭載されている。しかし、開幕戦オーストラリアGPと第2戦マレーシアGPに搭載して以降、KERSはマシンから取り外された[3][4]。終盤戦に入り、第13戦イタリアGPでは、特にKERSの使用が有利となる高速サーキットのモンツァ・サーキットでKERSが再投入された[5]

開幕時に騒動となったマルチディフューザーについて、フラビオ・ブリアトーレは使用チームを公然と批難していた[6]。しかし、FIA国際控訴審が合法と承認した直後の中国GPからさっそく暫定型を投入し[7]、以後も改良を続けた。

2009年シーズン

シンガポールGPフェルナンド・アロンソがドライブするR29。ING撤退によりスポンサーロゴが変更された。

ドライバーは前年と変わらずフェルナンド・アロンソネルソン・ピケJr.

開幕後は同じくKERSを搭載するマクラーレンフェラーリBMWザウバーとともに成績が低迷。アロンソは辛うじて入賞圏に届くものの、ピケは予選から精彩を欠くレースが続き、第11戦ヨーロッパGPからロマン・グロージャンに交代させられた。ピケは解雇後、前年のシンガポールGPでアロンソを勝たせるため故意にクラッシュしたことを暴露し、チームは激震に見舞われた。

第14戦シンガポールGP前に発表されたクラッシュゲートに対する判決の結果、タイトルスポンサーであったINGとアロンソの個人スポンサーでもあるムチュア・マドリレーニャがルノーへのスポンサードからの即時撤退を発表した[8][9]。そのため、マシンやモーターホームなどからロゴが消され、INGロゴにかわり、「RENAULT」が掲載された[10]。そのレースでアロンソはシーズン唯一の3位表彰台を獲得した。

最終戦アブダビGP予選終了後、今季初のQ1脱落を喫したアロンソが「ワーストマシン」と言うほど出来が悪かった。しかし、これはルノーがシーズン途中でR29に見切りをつけ、開発をR30に移行したところのよることも大きい。

スペック

シャーシ

2月にヘレス・サーキットネルソン・ピケJr.がテスト走行するR29

エンジン

シャーシナンバー一覧

2009年

[11][12]

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
AUS
MAL
CHN
BHR
ESP
MON
TUR
GBR
GER
HUN
EUR
BEL
ITA
SIN
JPN
BRA
ABU
7 フェルナンド・アロンソ 3 4 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4
8 ネルソン・ピケ 1 1 1 1 1 1 1 1 3 3
ロマン・グロージャン 3 3 3 3 3

結果

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 ポイント ランキング
AUS
MAL
CHN
BHR
ESP
MON
TUR
GBR
GER
HUN
EUR
BEL
ITA
SIN
JPN
BRA
ABU
2009 7 フェルナンド・アロンソ 5 11 9 8 5 7 10 14 7 Ret 6 Ret 5 3 10 Ret 14 26 8位
8 ネルソン・ピケ Ret 13 16 10 10 Ret 16 12 13 12
ロマン・グロージャン 15 Ret 15 Ret 16 13 16

脚注

  1. ^ “ルノー FIAのクラッシュテストに不合格”. gpupdate.net. (2009年1月10日). http://f1.gpupdate.net/ja/news/2009/01/10/205521/ 2009年1月10日閲覧。 
  2. ^ 『F1モデリング Vol.38』東邦出版、2009年、pp.22 - 25,45頁。ISBN 9784809407819 
  3. ^ “ルノー、KERSの使用を再評価”. F1-Gate.com. (2009年5月15日). http://f1-gate.com/renault/f1_3598.html 2009年5月26日閲覧。 
  4. ^ “ルノーとクビサ、KERS非搭載 (F1中国GP)”. F1-Gate.com. (2009年4月18日). http://f1-gate.com/renault/f1_3326.html 2009年5月26日閲覧。 
  5. ^ “ルノー、イタリアGPでKERSを復活”. F1-Gate.com. (2009年9月7日). http://f1-gate.com/renault/f1_4735.html 2009年9月7日閲覧。 
  6. ^ “フラビオ・ブリアトーレ 「3台のマシンがレギュレーション違反」”. F1-Gate.com. (2009年3月12日). http://f1-gate.com/renault/f1_3019.html 2011年11月23日閲覧。 
  7. ^ “ルノー:新ディフューザー (画像)”. F1-Gate.com. (2009年4月19日). http://f1-gate.com/renault/f1_3340.html 2011年11月23日閲覧。 
  8. ^ “ルノーからスポンサー離脱”. F1-Live.com. (2009年9月25日). http://jp.f1-live.com/f1/jp/headlines/news/detail/090924193441.shtml 2009年9月25日閲覧。 
  9. ^ “冠スポンサーのINGもルノーを離脱”. F1-Live.com. (2009年9月25日). http://jp.f1-live.com/f1/jp/headlines/news/detail/090924214522.shtml 2009年9月25日閲覧。 
  10. ^ “ルノー、INGのロゴを外して参戦”. F1-Gate.com. (2009年9月25日). http://f1-gate.com/renault/f1_4949.html 2009年9月25日閲覧。 
  11. ^ “season stats”. f1technical.net. (2009年7月2日). オリジナルの2009年7月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090707024649/http://www.f1technical.net/articles/12613 2009年7月3日閲覧。 
  12. ^ “F1日本GP シャシーナンバー”. F1速報. (2009年10月2日). http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/98/61/f1sokuho_editors/folder/576510/img_576510_7775774_0?1254479933 2009年10月2日閲覧。 

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