ランサーエボリューションVII
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「三菱・ランサーエボリューション」の記事における「ランサーエボリューションVII」の解説
2001年2月3日発売。型式名“GH-CT9A”。通称“エボVII” ベースモデルは前年にフルモデルチェンジしたランサーセディアになった。新開発のボディは、サスペンション取付部やボディフレーム結合部の補強や、専用リーンフォースメントの追加、スポット溶接の追加、などにより、エボVI比1.5倍の曲げ剛性を実現した。ベースモデルのランサーセディアのボディが大型化したことや、アクティブ・センター・ディファレンシャル (ACD) の新規採用による重量増があった。またエボVIIからヘッドライトにHIDが採用され、以降のエボシリーズはGSRグレードにHIDが標準装備されている。 前後輪の差動制限を電子制御するACD(電子制御可変多板クラッチ機構)をエボVIIで新規採用した。道路のコンディションに合わせて、「ターマック(舗装路)」・「グラベル(未舗装路)」・「スノー(雪道)」の3モードを車内のスイッチで切り替え、センターデフをコントロール可能で、パーキングブレーキ作動時に作動制限をフリーにする機能も採用された。この機能により、ラリーやジムカーナなどの競技での急旋回が容易になり、前モデルにも増して、旋回性能を高めた。ギア比もエボVI比で、1速がローギアード化され、5速はハイギアード化された。車両本体価格はGSRで299万円と、エボVIよりも安価になった。 CP型までは「ランサー GSR/RS エボリューション」という、ランサーGSRまたはRSのエボリューションモデルという表記だったものが、このVIIモデル以降は「ランサーエボリューション GSR/RS」と、ランサーエボリューションで一つの車名であるという表記に変更された。 このモデルより三菱はWRCでの活動をグループAからCS2A・ランサーセディアをベースとしたワールドラリーカー規定に移行(ネーミングのみエボリューションを継承)したが、これはランエボとランサーセディアで全長などの違いから、「ランエボはランエボという単一車種であり、ランサーセディアのバリエーション車種ではない」とされてしまい、販売台数の不足からWR(ワールドラリー)カー規定のホモロゲーションが取得できなかったためである。そのためVII以降のランエボはグループNおよび全日本ラリーやスーパー耐久などの国内レース向けのモデルに特化していくことになる。 エボV以降開発ドライバーを歴任した中谷明彦がベストカーに書いたコラムや『REV SPEED』の自伝によると当初三菱・ランサーセディアのボディーサイズとE30系三菱・ギャランVR-4とサイズがほぼ同一であることから、エボVI T.M.Eで最後になることや販売するかどうか決めかねていたことが伝えられていたという。 グレード体系グレードエンジン型式エンジン排気量最大出力最大トルク変速機車重RS 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997 cc 280 ps / 6,500 rpm 39.0 kg・m / 3,500 rpm 5速MT 1,320 kg GSR 1,400 kg GSR(リア)
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