ランサーエボリューションVI
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「三菱・ランサーエボリューション」の記事における「ランサーエボリューションVI」の解説
1999年1月22日発売。型式名"GF-CP9A"。通称"エボVI"。キャッチコピーは“次の頂点へ、進化していく。”。 エボVをベースに、細部の熟成によるポテンシャルアップを図ると共に、'99WRCラリーレギュレーションへ対応するための外観変更を含めた内外観のリフレッシュを図るため開発された。空気抵抗および冷却性能、またフロントリフトの改善を目的として、ナンバープレート位置を中央から左側に変更、フォグランプの小径化などによる前面開口部形状の拡大、リアウイングの2段化で、空力が改善された。前モデルのエボVで、硬めにセッティングされた足回りが街乗りには向かないことが不評であったため、フロントサスのロールセンター軸をエボV比で30 mm低く設定することで、多少ソフトなセッティングに変更された。しかし競技目的には向かず、全日本ラリー等ではエボVに勝つことができないという、ある種の「退化」を起こしている。ただし競技用グレードのRSではエボVと同セッティングの足回りがオプションで選択可能となっていた。 エンジンの馬力・トルクはエボVと変わらないが、冷却オイル路内蔵のクーリングチャンネル式ピストンの採用や冷却水レイアウトの変更、オイルクーラーの大型化、オイルクーラーベンチレーターやエアブローダクトの採用など、エンジンの耐久性と信頼性を向上させている。また、RSには純正でチタンアルミ合金製タービンが採用され、タービンブレードの慣性力を50%低減している。その他、このVI以降はRSでもブレンボブレーキとのセットオプションでAYCが選択可能となった。ホイールはOZ社製の銀塗装12本スポークホイール(所謂スーパーツーリズモタイプ)。 用意されたボデーカラーは、スコーティアホワイト、サテライトシルバー、ピレネーブラック、アイセルブルー、ランスブルー。 WRC Gr.Aに1999年第1戦モンテカルロから2001年第10戦ニュージーランドまでの38戦に参戦し、1999年シーズンは第1戦モンテカルロ、第2戦スウェーディッシュ・ラリー、第4戦ポルトガル、第9戦ニュージーランド、第12戦サンレモで優勝し、3年連続となるドライバーズタイトルをトミ・マキネンが獲得した。またグループNでもタイトルを獲得した。リアウイングの2段化はWRC Gr.A規定には適合したが、WRカー規定を超えるとしてFIAが指導したため、下段とトランクの間にある隙間をカーボンケブラーで塞ぎ、上段ウィングのみが機能するようになっている。2000年シーズンは第1戦モンテカルロで優勝し、第9戦ニュージーランドからはフロントバンパーが下記TMEを模したものに変更された。またこの年もグループNでタイトルを獲得した。 グレード体系グレードエンジン型式エンジン排気量最大出力最大トルク変速機車重生産台数RS 4G63(ターボ) 直列4気筒DOHC16バルブICターボ 1,997 cc 280 ps / 6,500 rpm 38.0 kg・m / 3,000 rpm 5速MT 1,260 kg 0726台 GSR 1,360 kg 6,868台
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