ライフサイクル‐コスト【life cycle cost】
LCC
【英】:Life Cycle Cost
購入者の立場としては、製品を購入してから使用を中止、あるいは廃却するまで、製造者の立場では、企画・研究開発から廃棄、処分に至るまでの資産の全生涯で発生するコストをいう。
製造者側のライフサイクル段階で発生するコストには、研究・開発コスト、生産・構築コスト、使用者側のライフサイクル段階で発生するコストには、運用・支援コスト、廃棄コストなども含まれる。
この場合、仮に購入価格が安くても使用段階で高い維持費、修理費等が発生すれば、かえって高い買い物になってしまう。
そこで、購入から使用中止に至るまでにかかる総費用を計算する必要がでてくるのである。
これらのコストを見積もる方法としては、パラメータ法やIE法などがある。また、コストのほとんどは企画・開発設計段階で決定されることや、各段階で発生するコスト間にはトレードオフの関係があるということに留意する必要がある。
昨今では、環境問題、エコロジーといった側面からも、企業は単に開発コスト、生産コスト、流通コストだけを考えるのではなく、商品の運用コスト、廃却コストも含めたトータルコスト(=ライフサイクルコスト)の最適化を求められている。
ライフサイクル・コスト
ライフサイクルコスト
ライフサイクルコスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/07 04:04 UTC 版)
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ライフサイクルコスト(life-cycle cost)とは、製品や構造物などの費用を、調達・製造~使用~廃棄の段階をトータルして考えたもの。訳語として生涯費用ともよばれ、英語の頭文字からLCCと略す。
製品や構造物などの企画、設計に始まり、竣工、運用を経て、修繕、耐用年数の経過により解体処分するまでを建物の生涯と定義して、その全期間に要する費用を意味する。建物以外には土木構造物(橋梁、舗装、トンネル)等にも適用されている。
費用対効果を推し量るうえでも重要な基礎となり.初期建設費であるイニシャルコストと、エネルギー費、保全費、改修、更新費などのランニングコストにより構成される。
ライフサイクルコストの低減を図るには、企画・計画段階から全費用を総合的に検討することが必要といわれる。
製品や構造物等を低価格で調達、製造することが出来たとしても、それを使用する期間中におけるメンテナンス(保守・管理)、保険料、長期的な利払い、廃棄時の費用までも考慮しないと、総合的にみて高い費用となることから生まれた発想。イニシャルコストのみならず、ランニングコストを含めた総合的な費用の把握は、近年における経営意思決定の常識となっている。
導入後にライフサイクルコストが変化する例
建築物など長期間にわたり使用するものは、外的要因や有害物質の定義づけ、環境意識の変化により、導入当初には想定外の費用が掛かることもある。使用期間が長いほどライフサイクルコストの計算には誤差が生じる可能性は高くなる。
外的要因の例
- 設計、指示書の記載ミスによるメンテナンス費用の増大
- 使用頻度や使用環境の見込み違いによる減価償却期間のずれ
- オイルショックによる燃料価格の高騰
- 最終処分場の減少等に伴う有害廃棄物処理コストの増加
- 環境意識の高まりによる浄化装置などの取り付けや早期の交換
大量使用後に有害とされた物質の例
関連項目
- コストパフォーマンス
- トレードオフ
- ファシリティマネジメント
- 設備管理
- 箱物行政
- ライフサイクルアセスメント
- TCO(総保有コスト)
- 統合ロジスティクス支援
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