ブレトン・ウッズ2仮説とは? わかりやすく解説

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ブレトン・ウッズ2仮説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/24 03:55 UTC 版)

グローバル・インバランス」の記事における「ブレトン・ウッズ2仮説」の解説

ブレトン・ウッズ体制とは第二次世界大戦後から1971年まで続いた国際協調体制であり、ブレトンウッズ体制において、アメリカ世界中心国として金1オンス=35ドルとして安定させ、その他の国は周辺国として自国通貨ドル固定していた(固定相場制)。このアメリカ中心ブレトン・ウッズ体制の下、世界安定した自由貿易享受した当初日本ヨーロッパ国際的な資本移動貿易規制し輸出促進する政策取り戦争傷跡からの復興ととも徐々に資本移動自由化進めた日本がほぼ完全な資本移動自由化推進したのは1980年代である。しかし、ブレトン・ウッズ体制アメリカ1971年に金とドル兌換停止したことで崩壊したその後スミソニアン協定などを経て世界1973年変動相場制移行した。 これがブレトン・ウッズ体制概要であるが、Dooley et al(2003)によって、世界的な経常収支不均衡、すなわちグローバル・インバランスブレトン・ウッズ体制再来なのだという解釈発表された。これはブレトン・ウッズ2仮説と呼ばれる。つまり、ブレトン・ウッズ体制のようにアメリカ中心国、中国などアジア諸国などを周辺国とすると、アジア諸国採用している実質ドル・ペッグ制経常収支不均衡戦後ブレトン・ウッズ体制安定期似ているとしている。 Dooley et al(2003)によれば、これらの国は3つの種類分けられる1つ目に中心としてのアメリカ2つ目に中国など輸出志向傾向にある貿易収支国、3つ目にヨーロッパユーロ圏などの(域内全体として見れば輸出志向にない資本収支国である。貿易収支国はアメリカ積極的に輸出する国々であり、これらの国々によってアメリカ経常収支大幅な赤字となっているが、貿易収支国の対米投資政府によるアメリカ国債購入中心)や資本収支国の民間部門アメリカへの資本流入により、アメリカ巨大な経常収支赤字ファイナンスされている。 果たしてこのアメリカ経常収支赤字持続可能かどうかということ問題になるが、貿易収支国の対米投資しばらくの間それほど減少しないだろうと予測できる。その理由次のとおりである。まず、イギリスユーロ圏ドルに対して変動相場制取っており、ドルに対してかなり柔軟に変動しているが、これに対して中国の経済的な成功目の当たりにしたアジア諸国自国通貨為替レート対ドル安定化させる政策を取る傾向にある。特に、ASEANなどの東南アジアでは1997-1998年アジア通貨危機前から実質ドル・ペッグ政策取られる傾向にある。ただし、自国通貨ドルに対して安定化させるためには通貨当局外国為替市場介入し主としてドル買い自国通貨売りをする必要がある例えば、中国人民元適正な為替レートよりも安くドル固定していると考えられており、対ドル固定のために中国の通貨当局大量にドル買い人民元売りをしている。この結果中国膨大な量のドル外貨準備資産として蓄積している。この積み上がったドルは主にアメリカ国債購入充てられている。このアメリカ国債購入アメリカ国債価格上昇利回り低下という結果生み出す。よって、アメリカ自国経常収支赤字アジア対米投資アメリカ国債購入中心)によってファイナンスすることが可能となるのであるこのようなアジア貿易収支国によるアメリカ経常収支赤字ファイナンスが続く限りアメリカ経常収支赤字持続可能であるとDooleyは主張している。もちろんアジア貿易収支国が十分に成熟すれば、将来的には完全な変動相場制移行することになるが、Dooley et al(2003)はこれはしばらくの間起こらないであろうとしている。すなわち、この世界経済不均衡状態、グローバル・インバランス当面持続可能であると考えられ、この体制ブレトンウッズ2体制呼ばれている。

※この「ブレトン・ウッズ2仮説」の解説は、「グローバル・インバランス」の解説の一部です。
「ブレトン・ウッズ2仮説」を含む「グローバル・インバランス」の記事については、「グローバル・インバランス」の概要を参照ください。

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