パーソナルワープロブーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 03:57 UTC 版)
「ワードプロセッサ」の記事における「パーソナルワープロブーム」の解説
1985年(昭和60年)のビジネスシヨウでカシオが59,800円のカシオワードHW-100を披露し衝撃を与え、それに対してキヤノンが49,800円のPW-10Eを出して追随するなどワープロは一気に低価格化し、マスコミには「電卓戦争の再現」として取り上げられるようになった。ソニー、セイコーエプソンなどの企業も参入し、パーソナルワープロブームとなった。 1980年代後半には、ワープロ専用機は、持ち運びが可能な大きさまで小型化されたパーソナルワープロとして、中小企業や個人への導入が始まった。 この頃の個人向けパーソナルワープロは、本体にキーボードに一体化されたプリンタと数行程度の液晶表示パネルを備える専用機であり、文章の作成、校正、編集、印刷などの機能を持つだけであった。機械の性能が向上するに連れて、液晶表示パネルの表示行数が増加し文書全体のレイアウトを把握しやすくなり、また印字機能の発達により明朝体のみだった印刷フォントもゴシック体や毛筆体など種類が増え、写植に匹敵するような高精細な印字が可能となった。さらには図形の描画・絵文字・はがき印刷(表面・裏面)や、カード型データベース・住所録・表計算・パソコン通信などの付加機能も搭載されているものが増え、テキストの処理に関しては当時のパーソナルコンピュータ(パソコン)と同等以上の高機能となった。 その一方でパーソナルコンピュータには漢字ROMが搭載され、BASIC(当時はオペレーティングシステム (OS) も兼ねていた)でも漢字を使用することができるようになり、ソフトウエアをベースとするワープロが登場し、簡易的なワープロソフトや安価な漢字プリンタが登場するに至った。この後、パソコンの代表的なオペレーティングシステムであるMS-DOS上でも漢字処理ができる様になり、パソコンの普及とその市場の拡大とともに安価なワープロソフトが誕生するに至る。 また、1980年代にはこれら個人向け製品の流れとは別に、ビジネス用途としてワークステーションに漢字処理機能が搭載されパーソナルワープロ同様の機能に加え様々な組版機能が盛り込まれた物が登場する。これらの多くは企業内での文書作成の写植システムとして活用され、パーソナルワープロとは別の道を歩むこととなった。
※この「パーソナルワープロブーム」の解説は、「ワードプロセッサ」の解説の一部です。
「パーソナルワープロブーム」を含む「ワードプロセッサ」の記事については、「ワードプロセッサ」の概要を参照ください。
- パーソナルワープロブームのページへのリンク