パイロット版の犯人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 00:59 UTC 版)
「刑事コロンボの犯人」の記事における「パイロット版の犯人」の解説
殺人処方箋 "Prescription: Murder" レイ・フレミング - 演:ジーン・バリー(吹き替え:瑳川哲朗(旧版)、若山弦蔵(新版)、新版追加吹き替え:麦人) 職業:精神科医。 人物:著名な精神分析医で、ロサンゼルスの高級アパートに居を構える。年上の妻キャロルとは結婚して10年になるが、もともとキャロルの財産を目当ての結婚だった。大学時代からの親友に地方検事のバート・ゴードン(演:ウィリアム・ウィンダム)がいる。頭脳明晰なエリートで、用心深く常に己の感情をコントロールし、決してボロを出すことはなかった。常に二手三手を用意をしていて、執拗なコロンボの追及を上手くかわしていた。また冷徹な一面を持ち、共犯者である愛人の死の一報を聞いても、感情を高ぶらせるそぶりを全くしなかった。 被害者:犯人の妻キャロル・フレミング(演:ニナ・フォック) 犯行:患者である女優のジョーン・ハドソン(演:キャスリン・ジャスティス)との不倫の事実を知った妻から離婚という最後通牒を突きつけられる。しかし資産家の妻と別れることは精神分析医としての社会的地位を失うことになるため、周到な計画を巡らして妻を扼殺し、ジョーンを妻に変装させてアリバイ工作をおこなった。 備考:原題は「殺人処方箋」ではなく「処方:殺人」である。本作は同名の舞台劇を下敷きにしており、舞台版の主人公はコロンボではなくフレミング(ファーストネームはロイ)であったが、主人公を追い詰めるコロンボ刑事に人気が集まりスピンオフとして『刑事コロンボ』が誕生した。なお、演じたのは『第三の男』などで知られるジョセフ・コットン。 死者の身代金 "Ransom for a Dead Man" レスリー・ウィリアムズ - 演:リー・グラント(吹き替え:山東昭子、追加吹き替え:弥永和子) 職業:女性弁護士。 人物:野心的で計算高い性格。年の離れた夫ポールと結婚したのも、法曹界の大物である彼を自身の出世に利用するためで、愛情は全く持っていない。ポールの前妻の娘であるマーガレット(演:パトリシア・マティック)とは犬猿の仲で、自分になつかない彼女をスイスの寄宿学校に入れて遠ざけていた。セスナ機の操縦資格を持っており、自ら操縦する自家用機にコロンボを招待、操縦桿まで握らせる度胸の良さを持つ。事件の真相を暴こうと食い下がるマーガレットを金で懐柔しようとするなど、金を価値観の全てとする人物である。 被害者:犯人の夫、弁護士ポール・ウィリアムズ(演:ハーラン・ウォード) 犯行:愛情のない結婚生活に耐えかねたポールは離婚を切り出す。法曹界から追い出されることを恐れたレスリーは、夫を銃殺し遺体を隠匿。脅迫状や電話越しの音声を準備し、彼が誘拐されたように偽装する。更に誘拐犯に身代金を払ったように見せかけ、ウィリアムズ家の貯金を着服。マーガレットが相続する筈だった財産を自分の物にする、一石二鳥の計画を完成させた。 備考:第2のパイロット版で、様々な点で「殺人処方箋」とは対照的である。本エピソードへの出演により、リー・グラントはエミー賞にノミネートされた。レスリーはコロンボとの駆け引きで「いもしない奥さんの話をして」と言っており、この時点ではコロンボの「カミさん」は架空の存在という設定だったとも考えられる。『刑事コロンボ』をモデルにした『古畑任三郎』の第1シーズン第4話「殺しのファックス」の雛形。
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