バルク式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 05:55 UTC 版)
コンテナ本体がほぼ箱型で、コンテナ上部面に設置された一個~三個のマンホールより、積荷を投入する。積荷は、ホッパ式の様に下半身部位が逆三角形ではなく、内部の底までいわゆる箱の形通りに全体にわたり積み込むことが出来るので、ある意味無駄な隙間なく積載できる利点がある。排出方法には、以下の三通りに分かれている。 ( 1 ) 事前準備として大型フォークリフトを使い配達先の専用施設となるコンテナを専用の台に設置して、片側のみをジャッキアップする様に持ち上げある方法。 ※一例として、京葉久保田駅構内の専用施設で使用されている事例。 ( 2 ) 配達トラックのコンテナを積載した荷台と共に、ダンプカーのように持ち上げる方法。 ※この方法は、トラックの構造上の制約により積載重量が13.5 t程度の産業廃棄物輸送用、大型トラックの場合に共用されるが、旧形式時代から比較的12 ft級の小型コンテナ一個のみの配達となる中型トラックでも多く利用されている。 ( 3 ) コンテナ専用シャーシーでの配達時(いわゆるトレーラー状態)は、牽引したトラクター後部の連結部位が特殊な油圧装置によりシャーシー積載状態で、地対空ミサイルのイメージで運転席寄り側を持ち上げる方法。 これらのいづれの場合でも、持ち上げた妻壁側とは反対側の片妻壁側下部に一箇所のみに設置された、小型の接続口(地上式消火栓タイプのイメージ)に、バキュームカーの様な蛇腹状のホースを設置して吸い出す方式となる。 ただし、例外的な方式として旧式のUH1形式(日本通運 ・ キリンビールでの事例)では、一個積みの配達トラックに積載して通常のドライコンテナ12 ft形と同じ様に、完全な箱型コンテナの妻側の観音開きドアを着地で開き、床面に設置された地下式投入口へある程度の量を落とし込む。さらに、トラックの乗った床面をサンダーバード2号発射台の様に運転席側を徐々に持ち上げて、残りを徐々に自然落下により排出する方法も利用されていた。 しかし、近年では配達トラック自体の製造技術の向上で、以前のような危険を伴う天井クレーンなどで運転席寄り側を少し吊り上げたり、大掛かりな床上昇設備が無くてもある意味配達用トラックさえ入場できれば、トラックの荷台だけを自力で持ち上げてホース一本接続するだけで簡単かつ、大規模な設備投資を抑えつつ荷役できる環境が揃った事で、半世紀近く前に登場した観音開きドアからの一気卸方法は、『私有コンテナ』では姿を消してしまった。 ※なお、国際海上コンテナでの『バルクコンテナ』では、まだ根強い人気がある。
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