バクザン省墓地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/04 22:25 UTC 版)
「朝鮮民主主義人民共和国のベトナム戦争参戦」の記事における「バクザン省墓地」の解説
14名の戦死者はバクザン省ランザン県タンジン社タンヴァン村のルンホアン丘に埋葬された。墓地を管理している元ベトナム人民軍兵士のズオン・ヴァン・ジャウによると、1965年から1968年にかけて北朝鮮大使館員がバクニン省・バクザン省・ランソン省で土地を探し、最終的にこの場所が選ばれた。この場所が戦死に直接の関係があるわけではなく、北朝鮮の関係者が偶然通りかかった際、この場所の日当たりがよいのを見て決めた。ジャウの家族や村人たちは供物となる鯉と黒犬を探すように頼まれたという。以前は墓が丘の上に散在していたが、2002年に戦死者の遺骸が故国に改葬されることになった際、バクザン省政府が1億ドンを投じて墓地を記念施設として整備し、2004年に完成した。墓地の門は東つまり朝鮮の方角を向いており、墓地の中央にある記念碑には「14名の朝鮮人民軍将兵の旧墓所」(ベトナム語: Nơi đã từng yên nghỉ của 14 cán bộ, chiến sĩ quân đội nhân dân Triều Tiên)とある。その後ろに並ぶ14基の墓碑の表側には朝鮮語で、裏側にはベトナム語で彼らの名が記されている。 毎年4月25日の朝鮮人民軍建軍節、または4月30日の南ベトナム解放記念日に合わせ、北朝鮮大使館員が花輪を捧げていた。2000年3月、当時東南アジア外遊中だった北朝鮮の白南淳外務相が墓地を訪れ花輪を捧げたことを受け、3月29日には在ベトナム韓国大使館員と韓国聯合ニュースが墓地を視察し、西側諸国においてはこれまで推測を通じてのみ知られていた北朝鮮のベトナム戦争参戦の事実が公式に確認された。2001年7月12日には北朝鮮の金永南最高人民会議常任委員会委員長が墓地を訪れた。2002年9月19日、金陽占人民武力部副部長を団長とする北朝鮮代表団がハノイにおいて戦死者の遺骸を引き取った。翌20日に空路北朝鮮へ帰国した際には鄭昌烈人民武力部副部長・金英日外務副相・戦死者遺族・在朝ベトナム大使らが出迎え、同日行われた安置式では金鎰喆人民武力部長とベトナム大使が式辞を述べて、戦死者の新たな墓前に金正日国防委員会委員長らの花輪が捧げられた。 バクザン省墓地に墓碑の残る14名の戦死者氏名朝鮮語生年月日没年月日没年齢ウォン・ホンサン 원홍상 1946年4月25日 1965年9月24日 19歳没 キム・グァンウク 김광욱 1932年5月22日 1967年3月10日 34歳没 キム・ウォンファン 김원환 1936年10月21日 1967年4月10日 30歳没 チャ・スネ 차순해 1938年1月25日 1967年4月21日 29歳没 パク・ドンジュン 박동준 1939年1月24日 1967年5月1日 28歳没 リ・チャンイル 리창일 1937年5月18日 1967年5月1日 29歳没 シン・ダロ 신달호 1938年2月3日 1967年5月16日 29歳没 キム・テジュン 김태준 1938年3月28日 1967年6月3日 29歳没 リム・チュンゴン 림춘건 1945年8月15日 1967年6月26日 21歳没 リ・ドンス 리동수 1937年6月4日 1967年7月21日 30歳没 リ・ドイン 리도인 1938年1月15日 1967年7月21日 29歳没 リム・ジャンファン 림장환 1929年12月18日 1967年9月30日 37歳没 キム・ギョンウ 김경우 1937年12月20日 1967年10月18日 29歳没 キム・ギファン 김기환 1936年1月5日 1968年2月12日 32歳没
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