ハードドラッグ/ソフトドラッグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/08 16:51 UTC 版)
「オランダの薬物政策」の記事における「ハードドラッグ/ソフトドラッグ」の解説
オランダでは、ハードドラッグとソフトドラッグが明確に区別されている。オランダアヘン法(Opiumwet)では2つのカテゴリ(Lijst)を設けており、カテゴリIをハードドラッグ、カテゴリIIをソフトドラッグとしている。アヘン法に基づくハードドラッグとは、「容認できない」危険性を生じさせる薬物の事であり、ヘロインやコカイン、エクスタシーなどを指す。また、ソフトドラッグとはマリファナ(大麻の葉や花を乾燥させた物)やハシシ(大麻樹脂)などの大麻加工品やマジックマッシュルームなどを指している。薬物の分類は、物質の精神的中毒性もしくは肉体的中毒性があるかどうかに基づき定められた。言い換えれば、薬物離脱時の穏やかな摂取欲より悪い弊害を伴わない精神的中毒性の薬物、もしくは、危険な禁断症状および恒久的な肉体的損傷を生じるという確証がない肉体的中毒性の薬物は、取り締まらない。この政策の主要な目的の一つは、ソフトドラッグ使用者がハードドラッグに接する可能性を低くする為に、ソフトドラッグとハードドラッグの市場を分離することにある。また、犯罪の影響をソフトドラッグ市場から取り除き、犯罪を減少させる事も目的としている。 オランダには、「コーヒーショップ」といわれる公然とソフトドラッグを販売する店が存在する。コーヒーショップにおいて、法律に基づき個人使用目的において法が許している最大量を顧客に、法に従い販売している。その限りにおいては、コーヒーショップは処罰されない。しかしながら、コーヒーショップの仕入れ先は、まだ処罰されている。実際には、栽培に為の1人あたり5苗の大麻、もしくは、1人にあたり5グラムのマリファナもしくはハシシが、「個人使用用途」の条項における上限である。2004年の判決例では、360グラムの所有に対して、没収と750ユーロの罰金が課せられた。コーヒーショップは他の小売店と同様に税金を払っている。とはいえ、大抵コーヒーショップはソフトドラッグの供給に伴う領収書を申告出来ない為、コーヒーショップの為の幾つかの特別控除がある。 大規模な売買・製造・輸入・輸出は、たとえ末端使用者もしくはコーヒーショップに対して許可量を超えて供給していなかった場合においても、法律上許容される最大限の告訴がされている。しかしながら、コーヒーショップに薬物がどのように供給されているかは、めったに厳密には調査されない。確かなこととして、大麻を違法とする国が原産であるドラッグが、コーヒーショップで売られていることが挙げられる。供給元の多くは、ハードドラッグとソフトドラッグを区別しない利益を得る事を動機とした犯罪者である傾向がある。それゆえ、ソフトドラッグ政策は「供給の問題」を解決しない事により、オランダをヨーロッパにおけるハードドラッグ取引の中心にした。この問題に対抗するために、厳重に管理され適法な大麻に対する製造工程の創設が、ここ数年間に渡り多くのオランダ人の政治家によって提案された。2005年末までには、オランダ議会の大部分は大麻の管理された栽培及び製造の実験を支持した。この実験がいつ・どのように行われるかは、立法問題のために未定である。
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