ハードトップとピラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 02:07 UTC 版)
Bピラーがなく、ドアサッシを持たない乗用車は「ハードトップ」と呼ばれる。 かつてはアメリカ車や日本車でも、販売上スタイルが重要となる2ドアのスポーツカーやスポーティーカー、スペシャルティカーに始まり、4ドアの高級車やファミリーカーにも「差別化」や「付加価値」のため好んで採用されていた。これらの詳細についてはハードトップの項目を参照。 モノコック構造の車体で、床と屋根の両方にほぼ垂直に交わるBピラーを取り払うと、車体を一周する構造材の「輪」が分断され、そのままでは車体剛性と強度や、近年重要視されている側面衝突(Tボーンクラッシュ)に対する安全性も著しく低下する。これを補うためには他の部分の補強が必要となり、重量とコストの上昇は避けられない。また、車体を補強できたとしても、ドアガラスまわりの気密性が低く、空気の吸出しや風切り音に対しては不利である。 そのため現在ではBピラーは残したままデザインの工夫によってハードトップ風にする「ピラード・ハードトップ」が主流になっており、Bピラーそのものが存在しない本来の「ハードトップ」は極めて少なくなっている。 「ピラード・ハードトップ」もしくは「サッシュレス・ドア」採用車は現在でも採用例が見られ、この場合、ドアガラスと車体側ウエザーストリップの当たりを適正化しシール性を高めるため、パワーウィンドウを利用してドア開閉時にはガラスを少しだけ下げ、完全に閉めきった後にモーターで正規の位置まで上げ強く押し付ける構造を採用している車種もある(フェラーリ・F430、アルファロメオ ミト、BMWミニ、メルセデス・ベンツ・CLSクラスなど)。
※この「ハードトップとピラー」の解説は、「ピラー」の解説の一部です。
「ハードトップとピラー」を含む「ピラー」の記事については、「ピラー」の概要を参照ください。
- ハードトップとピラーのページへのリンク