ハバードと精神医学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/29 04:25 UTC 版)
「サイエントロジーと精神医学」の記事における「ハバードと精神医学」の解説
サイエントロジーの創始者L・ロン・ハバードはジークムント・フロイトの理論にも生物学的精神医学にも批判的であった。 ハバードは精神科医を"psychs"(蔑称)と呼び、人間のスピリチュアリティを否定し、くだらない偽者の治療を行うものとみなしていた。彼はまた精神科医たちをそれ自体が非常に非倫理的な人間であり、「強奪、傷害、殺人を犯している。われわれの資料はその証拠に満ちている」と確信していた。 反精神医学的なテーマはハバードの創作活動にも現れている。ハバードの10巻シリーズの『ミッション・アース』では、多様なキャラクターたちが心理学の手法と妥当性について議論している。彼の小説『バトルフィールド・アース』では、悪の"キャトリスト"(英語の精神科医:"サイキアトリスト"との駄じゃれ)がメンタルヘルスの専門家と主張するニセ医者の集団として描写されており、彼らはサイクロ(この名前はサイクロ語で"脳"または"~の所有物"を意味している)を支配するものである。『バトルフィールド・アース』における獰猛で堕落したサイクロ人は、しばしばハバードの「もしサイエントロジーが無ければ、精神医学に支配されてしまうであろう人類の未来」についての個人的な考えではないかと推測されている。 数多くの精神科医たちはサイエントロジー教会に強く反論してきた。ハバードの著書『ダイアネティックス』が出版された後、アメリカ心理学会は会員にハバードの手法を患者に用いないように指導した。ハバードは「世界規模の陰謀の背後には精神科医がおり、彼らはソビエト連邦の代理人としてサイエントロジーを攻撃し、"世界統一政府"を築こうとしている」と信じるようになった。 "われわれの敵は、人数にすればわずか12人に満たない。彼らはイングランド銀行のメンバーと、それよりも高い位置にいる財界人だ。彼らは新聞社を所有・管轄し、奇妙なことに、これまで誕生したメンタルヘルス・グループも運営している。[...]。彼らの明白な計画は、精神科の電気ショックや前頭葉のロボトミーによって、邪魔になる政敵を排除することだ[...]。この連中は世界のほぼすべての政府に多額の金をさまざまなごまかしによって貸し付け、もちろん所得税や政府の財政も支牛耳っている―例えば[ハロルド・]ウィルソンは現英国首相だが、完全にこうした連中と関わっており、話すことと言ったらこの連中の事ばかりだ。" ハバードの、「精神科の領域を人間性の諸問題の根源と位置づけようとする試み」は1971年に書かれた方針文書に典型的に示されており、その中で彼は"精神科医"という言葉を"反社会的な人民の敵"と再定義しようとした。 "「精神医学」と「精神科医」という2つの言葉は「反社会的な人民の敵」と簡単に再定義することができる。このことによって殺人凶の精神科医を「常用職業リスト」からはずすことができる。1世紀にわたって精神科医が未曾有の非人道的記録を残しており、これは[言葉の再定義の]有効活用である。"
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