ドム・トロピカルテストタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 08:59 UTC 版)
「ドム」の記事における「ドム・トロピカルテストタイプ」の解説
『MSV』で設定された。「局地戦闘型ドム」または「トロピカルドム」とも呼ばれる。 アフリカ戦線におけるドムの活躍は目覚ましいものであったが、局地戦での使用に問題がなかったわけではなく、高温下での戦闘でメカトラブルが発生し、現地からは改善要求の提出が少なからずあったといわれている。そこで熱帯戦用の研究母体として、キャリフォルニアベースに送られて1か月後のプロトタイプドムの2号機に若干の改修をほどこしたのが本機である。改修は制式承認以前のものとしてキャリフォルニアベースが工作を代行しているが、戦後の資料では "YMS-09D" と紹介されることが多い。 量産型ではコンパクト化された頭部の放熱パイプと背部推進器の形式は差し戻しでプロトタイプドムの方式が採用され、ランドセルには補助タンクや大容量冷却システムが搭載されている。頭頂部には近距離用の通信アンテナが追加されており、これも要望が多かったものであるが、通信機の性能は大したものではない。本体には防塵処理がほどこされている。カラーリングは全身をサンド・イエローとするもののほか、胸部やソール部などをブラウンで塗り分けたパターンも確認されている。 試作機は「スカラベ」部隊によってテスト支援と完成時の性能チェックがおこなわれている。ホバリング時におけるジャイアント・バズの試射を撮影した写真が戦時中に士気高揚のために公開されており、撮影場所はアリゾナの実用試験フィールドであるとされるが、真偽は不明である。実験はオーバーヒートもなく、満足いく結果であったとされる。その後、2機が北アフリカ戦線の「カラカル」部隊に配備され、オデッサ作戦の直前に実戦テストがおこなわれている。実戦データはドム・トローペンの開発に活かされたとされる。また、カーミック・ロム大尉のパーソナル・エンブレムで、のちに隊長となる遊撃隊「スコルピオ」の部隊章となる「アラビアン」が本機にも使用されたとする資料もある。 作中での活躍 漫画『機動戦士ガンダム バンディエラ』ではクラウデン・マリン少尉が搭乗。作中では単に「ドム」と呼ばれているが、単行本第3巻の表紙では "YMS-09D" の型式番号が確認できる。レプス部隊地球配属部隊に加入し、アレキサンドリアでかつてのサッカーの教え子であるユーリー・コーベルのザクIIと模擬戦を行う。砂塵を発生させて相手の視界をさえぎる得意の戦法でユーリーに勝利する。アデン宇宙港へ向かうザンジバルが敵に包囲された際にはユーリーとともに出撃し、敵を引き付けてユーリーによるビッグ・トレー撃沈をアシストする。その後ホバー推進器が故障し、コックピットに61式戦車の直撃を受けるももちこたえ、デプ・ロッグの上に乗りヒート・サーベルで脅し誘導することにより撤退に成功する。クラウデンは重傷を負うが一命を取り留める。 ゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション Code Fairy』ではオデッサ作戦と同時期に、アリゾナで試験運用されていたうちの1機に、秘匿部隊「ノイジー・フェアリー」のミア・ブリンクマン技術少尉が大破したザク・ハーフキャノンに替わって搭乗する。武装はMMP-80マシンガンとクラッカーも装備。なお、ドム・キャノンのオプションは届かなかったため装備していない。アンダーグラウンド・ソナー (UGS) を装備し、索敵能力に優れる。なお、コミカライズ版での本機はトロピカルテストタイプで得られたデータから新規に製作された「MS-09D ドム熱帯仕様」とされている。
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