シルクロード後から現在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/07 02:42 UTC 版)
「ダークネット・マーケット」の記事における「シルクロード後から現在」の解説
2013年後半から2014年を通じて前シルクロードサイトの管理者が運営するシルクロード2.0やAgoraマーケットプレイスなどの新たなマーケットが定期的に設立された。そのような設立は常に成功するわけではなく、2014年2月に「Black Market Reloaded」をベースにした高く期待されていたマーケットである「Utopia」 はオランダの法執行機関による迅速な措置によりオープンから8日後に閉鎖された 。2014年2月にも「Black Goblin Market」と「CannabisRoad」の2サイトが容易く非匿名化された後で閉鎖し短命に終わった。 2014年11月にダークネットのエコシステムが簡単に揺さぶられた。アメリカのFBIとイギリスの国家犯罪対策庁によって実行された「onymous作戦」により、当時としては最大級のマーケットの一つであった「シルクロード2.0」を含む27の隠しサイト及び12の小規模マーケットと個々のベンダーサイトが差し押さえられた 。2014年9月までに、onymous作戦を逃れたAgoraは最大のマーケットになったと報じられ、2015年4月時点でも全てのマーケットプレイスでも最大であり続け 、絶頂期には商品の掲載数でシルクロードを超えた。 2015年はマーケットの多様化とエスクローと分散化を中心とした更なる発展を遂げた年となった。 2015年3月に当時マーケットシェアの5割を占めていたマーケットプレイス「Evolution」は「exit scam」(資金持ち逃げ)を行いエスクロー(預託)されていた1200万ドル相当のビットコインを盗んだ 。Evolutionの閉鎖によりユーザーが「Black Bank」とAgoraに流出した。2015年4月時点でダークネット・マーケットでシェア5%を獲得していたBlack Bankは同様の詐欺で消失する前の2015年5月18日に「メンテナンス」のために閉鎖すると発表していた。これらの出来事を受け、コメンテーターはこのリスクから買い手とベンダーの将来的な保護及び「マルチシグ」の暗号通貨決済をより幅広くサポートするために「OpenBazaar」サービスのような更なるマーケットの分散化が必要になる可能性があると示唆した。 4月にはドラッグ及びソフトウェアエクスプロイト向けの最初のオープンサイバー兵器マーケット「TheRealDeal」がコンピュータセキュリティの専門家によって創設された 。5月にはTheRealDealを含む様々なマーケットに対して様々なDDOS攻撃が行われた。マーケットのオーナーはアタッカーのパスワードを取得するためのフィッシングサイトを準備し、同様にユーザーから詐欺を行おうと計画していたMr Nice Guyのマーケットの管理者とアタッカーとの協力関係を後に明らかにした 。この情報はニュースサイトDeepDotWebに公開された。 7月31日、欧州刑事警察機構とイタリア警察が協力してイタリア語のダークネットマーケット「Babylon」を閉鎖し、1万1254件のビットコインウオレットのアドレス及び100万ユーロを押収した。 8月下旬にリーディングマーケットプレイスのAgoraはサーバー上での不審な活動を報告した後、Torのある種の非匿名性のバグを疑い緊急の一時閉鎖を発表した。 2015年10月までにAlphaBayが最大のマーケットとして認識された 。それから2016年までマーケットは安定的に拡大していったが、4月に大規模な「Nucleus marketplace」が未知の理由で崩壊し、預託されていたビットコインが消失した。 4月28日、イタリア・ダークネットコミュニティ(IDC)フォーラムベースのマーケットプレイスに捜査が入り、多数の重要人物の逮捕につながった。 2017年5月、スロバキアで薬物と武器の不正取引に関与していた疑いで逮捕された容疑者が「Bloomsfield market」を運営していたことが判明し後に同マーケットは閉鎖された 。その月の下旬に長命の「Outlaw market」は大半のビットコインの暗号通貨ウォレットが盗まれたと言及し閉鎖したが、exit scamであったと推測されている。 2017年7月、FBI、DEA、オランダ警察などによるベイオネット作戦によりHansaとリーディングマーケットのAlphaBayが差し押さえられ、世界の法執行機関による捜査を引き起こしたことからマーケットはOnymous作戦以来の最大の混乱を経験した。この差し押さえで多くのトラフィックが他のマーケットに行き、TradeRouteとDream Marketが当時最も人気のマーケットとなった。 2017年10月、TradeRouteはハッキングを受け資金を奪い取られた直後exit-scamを行った。
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