シリア・アラブ航空
(シリア航空 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/21 14:50 UTC 版)
|
||||
設立 | 1961年 | |||
---|---|---|---|---|
ハブ空港 | ダマスカス国際空港、アレッポ国際空港 | |||
焦点空港 | ダマスカス | |||
マイレージサービス | Syrian Air Frequent Flyer | |||
保有機材数 | 13機(7機を発注中) | |||
就航地 | 49都市 | |||
本拠地 | ![]() |
|||
代表者 | Naachat Numir (President and CEO) | |||
外部リンク | https://syriaair.com/ |
シリア・アラブ航空(アラビア語: مؤسسة الطيران العربية السورية; mu’assasat aṭ-ṭayarān al-‘arabīya as-sūrīya, 英語: Syrian Arab Airlines),は、シリアのダマスカスを本拠地とする航空会社。同国のフラッグ・キャリアである。ダマスカス国際空港をベースにアジア、中東、ヨーロッパと北アフリカの40都市以上へ就航している。アラブ航空会社機構に加盟。
歴史
設立まで
- 1946年、シリア航空として設立された。
- 1947年6月、2機のビーチクラフトモデル18、3機のダグラスDC-3を使用して、国内線運航を開始した。DC-3はパンアメリカン航空から導入した機材で、導入にあたって、パンアメリカン航空から支援を受けた。
- 1948年のアラブ・イスラエル戦争を受け、1951年まで運航を停止した。
- 1952年、政府支援により運航を再開した。
- 1952年にダグラスDC-3を3機、1954年にダグラスDC-4を4機、1957年にダグラスDC-6を4機が導入した。
- 1953年12月21日、ダマスカス近郊にで墜落事故が発生し、運航許可が取り消された。
- 1954年、運航認可が再交付され、運航を再開した。
- 1956年2月24日、アレッポを離陸中だったDC-3型機が、激しい嵐の中墜落し、19人が死亡する事故が発生した。
ユナイテッド・アラブ航空
- 1958年2月、シリアとエジプトがガマル・アブデル・ナセル大統領の指導の下、統一を決定した。これを受け、エジプトの国営航空会社と合併することとなった。
- 1958年12月25日に合併が実行され、ユナイテッド・アラブ航空(UAA)となった。
- ユナイテッド・アラブ航空として運航されていた時期は、経営資源はエジプトに集約され、シリアでは、国内線のみの運航だった。
シリア・アラブ航空
- 1961年9月26日、シリアとエジプトの連合が解消されたことをうけ、ユナイテッド・アラブ航空を解散することとなった。
- 1961年10月、ユナイテッド・アラブ航空のシリアにおける事業を引継ぎ、シリア政府によって設立され、シリアの国内線や地域路線の運航を開始した。
- 1962年11月、スカンジナビア航空からダグラスDC-6Bを購入した。
- 1963年、ヨーロッパへの国際線運航を開始し、ローマ・ミュンヘンに就航した。
- 1964年には、ロンドン、パリ(ルブルジェ)、カラチ、デリーに就航するなど、路線網を急拡大した。
- 1965年、初のジェット機として、シュド・カラベル210 Super-Caravelle 10B3型機2機を購入した。
- 1966年、ミドル・イースト航空と提携を開始し、ベイルートとダマスカス間での運行を開始した。
- 1967年、IATAに加盟。
- 1967年、第三次中東戦争により、運航を数週間中止した。
- 1970年、モスクワへのフライトを運航開始。
- 1973年、ダマスカス国際空港が開港し、新たな近代ハブ空港となった。
- 1974年、2機のボーイング707型機をブリティッシュ・エアウェイズからリース導入した。
- 1976年、ボーイング727-200とボーイング747-SPを受領。
- 1976年、ロイヤル・ヨルダン航空と共同で、中東初のニューヨークへの大西洋横断路線を運航する計画があったが、結局、両社が各自運航することとなった。
- 1976年6月1日、ダマスカス-ミュンヘン-ロンドン区間でボーイング747SPの運航を開始した。
- 米国とシリアの間で関係が悪化し、欧米製の航空機を購入できなくなったため、ソ連製の飛行機の導入を進め、1983年にツポレフ Tu-134、1984年にツポレフTu-154Mを導入した。
- 1986年、イギリスとシリアが外交危機に陥り、長年にわたって高需要路線として運航してきたロンドン線から撤退した。なお、1991年に再開している。
- 1994年、3機のボーイング727-269型機を導入した。
- 1998年10月、エアバスA320を導入し、ソ連製機材を全機退役させた。
- 2012年7月23日、シリア内戦が続く中、欧州連合がシリアに制裁を課し、EUへの乗り入れや、ヨーロッパ製の新しい航空機の購入が禁止された。
- 2012年10月10日、トルコ領空において、シリア航空の飛行機が2機の戦闘機に挟まれるトラブルが発生し、トルコに着陸した。飛行機はシリア軍にロシアの荷物を運んでいたと考えられていた。
- 2017年、欧米から制裁されているにもかかわらず、エアバスA340-300(YK-AZA、YK-AZB)を導入した。
- 2020年1月9日、シリアのバシャル・アル・アサド大統領が、シリア・アラブ航空からシリア航空に名称を変更する法令を発令した。
- 2025年2月、欧州連合が制裁を一時停止し、エアバスの購入とヨーロッパへのフライトが再認可されることとなった。
就航都市
アフリカ



南アジア
南西アジア
ヨーロッパ
コードシェア
シリア・アラブ航空は下記の航空会社とコードシェアを行っている。
機材
シリアはアメリカとの外交関係上、ボーイング、エアバスから直接新型機種を購入するのが難しいためロシア製の旅客機を新規発注して投入している。
- エアバスA320-200 6機
- エアバスA340-300 1機 2017年と2020年にイランを通じて取得。国連の制裁措置を回避する形となった。
- エアバスA340-600 1機
- ボーイング747-SP 2機
- ボーイング727-200 3機
- イリューシン96-300 1機(発注中)
- イリューシン96-400 2機(発注中)
- ツポレフ204 4機(発注中)
- MS-21 15~20機(発注中)
関連項目
外部リンク
- シリア・アラブ航空のページへのリンク