シドニー_(軽巡洋艦・2代)とは? わかりやすく解説

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シドニー (軽巡洋艦・2代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/10 16:32 UTC 版)

シドニー (HMAS Sydney) は、オーストラリア海軍軽巡洋艦[注釈 1]パース級軽巡洋艦 (Perth class light cruser) の1隻で[2]イギリス海軍所属のフェートン (HMS Phaeton) として建造された[注釈 2][注釈 3]。艦名は、チャタム級軽巡洋艦 (Chatham class Light cruiser) のシドニーに続いて2代目[4]


注釈

  1. ^ 二等巡洋艦 “アンフイオン Amphion[1] 全要目{排水量7,040噸 速力32.5節 備砲 15.5糎砲8門 10糎高角砲4門 魚雷發射管(53糎)8門 起工1933年6月 竣工1936年6月 建造所ポーツマス海軍工廠} これが新時代の英國7,000噸級輕巡の勇姿である。前檣は極端にかたまつて殆ど箱型である。この型がどうやら英國新輕巡の通有タイプになりさうであるが、國によつて夫々違つてゐるのも興深い。尤も艦型よりも實力こそ問題であるが、近代的射撃装置の完備した輕巡15糎砲の齋射は怖るべきもので、仰角また自由自在である。長さ161.5米、幅17.3米、平均吃水4.62米、軸馬力72,000馬力。“アポロ Apollo “シドニー Sidney(これは濠洲海軍へ渡された)の姉妹艦がある。
  2. ^ 先代のフェートンは、アリシューザ級軽巡洋艦フェートン (HMS Phaeton) であった。
  3. ^ a b 三 自治領海軍(イ)濠洲海軍[3](略)巡洋艦シドニーは最初、英帝國政府一九三六年度建艦計畫の下にフエートンの艦名を以て起工され、後に濠洲政府に受繼がれて來たが、一九三五年九月に竣工し、十月一日には士官以下乗組員はJ.U.P.フィッツゲラルド大佐統率の下に、ロンドン市長によつて市會議事堂に迎へられ、同市關係者から午餐を受けた。之より先き一九三五年十一月一日 英海軍省は、濠洲政府がシドニーを英聯合王國の使用に供すべき申出でのあつたことを發表した。此の申出は承認されて、シドニーは一時的にヂブラルターに於ける内國艦隊第二巡洋戰隊のアチレスと交代した。(以下略)
  4. ^ エスペロ船団の戦いスパダ岬沖海戦カラブリア沖海戦オトラント海峡海戦など。
  5. ^ ネームシップリアンダー (HMS Leander) と2番艦アキリーズ (HMS Achilles) はニュージーランド海軍に、改良型のパース級3隻(アンフィオン〈改名後パース〉、フェートン〈改名後シドニー〉、アポロ〈改名後ホバート〉)はオーストラリア海軍に引き渡された[2]
  6. ^ (二)巡洋艦建造[7] 一九三五年度中に五箇年分の建艦計畫に依る巡洋艦若干が建造されたが、之が造艦事業遅滞のよき表示である。一九三一年度の三隻、即ちアジャックスアレシューサは、一九三三年迄は箸手されなかつたものであるが昨年に至つて漸く完成した。併し其の姉妹艦のアムフィオンは、昨年末迄には完成しなかつた。/之と同様に、一九三二年度の三隻、即ちシドニー(濠洲海軍所属)及びガラチアは三三年に箸手したが昨年末完成し、姉妹艦アポロは未完成として殘つた。(以下略)
  7. ^ シドニーは第一次世界大戦で、ドイツ帝国海軍巡洋艦エムデン (SMS Emden) をココス諸島海戦で撃沈した戦績を持つ[4]
  8. ^ シドニー初代艦長はイギリス海軍のJohn .Uniacke.Penrose.Fitzgerald大佐であった[3]。転属および昇進後の1940年(昭和15年)12月11日、HX-92船団の指揮官として輸送船ロトルア (Rotorua) に乗船中、U-96ハインリヒ・レーマン=ヴィレンブロック艦長)の雷撃でロトルアが沈没し、その際に戦死した。
  9. ^ a b (略)自治領海軍の艦船は、當該政府の合意の下に、此度近東及び地中海に於ける彼の艦隊集中に應じて其の一分が参加せしめられた。/濠洲軍艦オーストラリヤは、伊「エ」紛爭前から既に第一巡洋戰隊として就役してゐた。而して濠洲方面に於ける其の任務はサッセックスが赴いて代行した。併し後に至り、同艦も同地を去って、同じくオーストラリヤと同じ戰隊に編入せられることゝなつた。又同じ濠洲政府の軍艦で、シドニーはブリスベーンと共に完成と同時に就役したのであるが、同艦のみは濠洲に行かないで、直にジブラルターに於て第二巡洋艦戰に編入され、後にアレキサンドリヤに於て地中海艦隊に加はつた[12]。(以下略)
  10. ^ 三、艦隊の行動[13](中略)アビシニヤ戰爭は伊太利軍が五月五日(一九三六年)にエチオピヤの首都アヂスアベバを陥落したことを以て終結と考へることも出來るが、併し實際は、七月十五日に對伊經濟制裁が解かれ、地中海方面の緊張が緩和されて地中海に於ける艦隊の集結を不必要とするに至つた時を以て、事變終結と見るのが適當であらう。/ 内國艦隊は其の月を以て地中海から本國に歸還し、臨時に第二巡洋戰隊に編入されてゐた濠洲の新造軍艦シドニーも亦間もなく濠洲海軍に復歸した。(以下略)
  11. ^ 第三節 自治領海軍[14] 一、濠洲(中略)濠洲海軍の巡洋艦オーストラリヤ及びシドニーは八月二日にフリーマントルに歸箸した。是等の艦は例の地中海問題中、夫れ〱゛第一、第二巡洋艦戰隊に編入されて任務に服してゐたものである。(以下略)
  12. ^ 8月2日、シドニー帰着とも。
  13. ^ 1939年(昭和14年)11月16日、ウォーラー大佐は重巡ロンドン (HMS London, 69) 艦長に転じ、後任のシドニー艦長はジョン・コリンズ大佐となった。
  14. ^ 軽巡洋艦オライオン (HMS Orion, 85) 、ネプチューン (HMS Neptune, 20) 、グロスター (HMS Gloucester, C62) 、リヴァプール (HMS Liverpool, C11) が所属していた。
  15. ^ 軽巡洋艦3隻(オライオン、エイジャックス、シドニー)、駆逐艦2隻(ヌビアンモホーク)。
  16. ^ 12月、本艦の代艦として姉妹艦パース (HMAS Perth, D29) が地中海に派遣された。
  17. ^ 1942年(昭和17年)3月7日、南雲機動部隊の別働隊がクリスマス島に艦砲射撃をおこない、3月下旬には第四水雷戦隊による占領作戦が実施された。そのため連合国側は充分な調査ができなかった。

脚注

  1. ^ ポケット海軍年鑑 1937, p. 86(原本154-155頁)二等巡洋艦アンフイオン
  2. ^ a b イカロス、世界の巡洋艦 2018, pp. 40a-42コラム(1)英連邦諸国の巡洋艦/■オーストラリア海軍
  3. ^ a b c ブラッセー海軍年鑑 1936, p. 30原本26頁
  4. ^ a b c d #第2258号、濠洲新巡洋艦 pp.3-4(濠洲新巡洋艦建設ニ關スル件)
  5. ^ a b イカロス、世界の巡洋艦 2018, p. 105仮装巡洋艦/■ドイツの仮装巡洋艦
  6. ^ イカロス、世界の巡洋艦 2018, pp. 18–19(イギリス海軍)リアンダー級軽巡洋艦/イギリスが第一次大戦後に初めて建造した軽巡洋艦
  7. ^ ブラッセー海軍年鑑 1936, p. 21原本8頁
  8. ^ #第287号、英国軍艦3隻 p.5〔 H.M.S. PHAETON.
  9. ^ #欧2普通第200号 p.2
  10. ^ #第370号、シドニー竣工 p.3〔 H.M.A.S. SYENEY (late H.M.S. PHAETPN) 〕
  11. ^ ブラッセー海軍年鑑 1936, pp. 51–52原本69-70頁
  12. ^ ブラッセー海軍年鑑 1936, p. 15(逼迫せる英國の國防、17頁)
  13. ^ ブラッセー海軍年鑑 1937, pp. 14–15原本3-4頁
  14. ^ ブラッセー海軍年鑑 1937, p. 25原本24頁
  15. ^ a b Royal Australian Navy, 1939–1942, p.134
  16. ^ a b Royal Australian Navy, 1939–1942, p.135
  17. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, pp.156-157
  18. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, pp.159-160
  19. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, pp.160,162
  20. ^ a b Royal Australian Navy, 1939–1942, p.160
  21. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, pp.162
  22. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, pp.163-164
  23. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, pp.164
  24. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, pp.164-165
  25. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, p.165
  26. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, p.166
  27. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, pp.184-185
  28. ^ a b Struggle for the Middle Sea, p.47
  29. ^ Struggle for the Middle Sea, p.48
  30. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, p.195
  31. ^ a b Royal Australian Navy, 1939–1942, p.187
  32. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, pp.197-198
  33. ^ Royal Australian Navy, 1939–1942, p.198
  34. ^ ビーヴァ―、第二次世界大戦(上) 2015, p. 304.
  35. ^ ビーヴァ―、第二次世界大戦(上) 2015, p. 305.
  36. ^ ビーヴァ―、第二次世界大戦(上) 2015, p. 529.
  37. ^ Unknown HMAS Sydney II sailor named after 80 years”. Australian Government, Department of Defence (2021年11月19日). 2022年1月1日閲覧。
  38. ^ Barlass, Tim (2021年11月19日). “Unknown sailor from HMAS Sydney was engaged to be married, family says”. Sydney Morning Herald. https://www.smh.com.au/national/named-after-80-years-the-unknown-sailor-from-hmas-sydney-20211118-p59a8o.html 2021年1月1日閲覧。 


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