グロスター_(軽巡洋艦・2代)とは? わかりやすく解説

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グロスター (軽巡洋艦・2代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/03 15:59 UTC 版)

艦歴
発注
起工 1936年9月22日
進水 1937年10月19日
就役 1939年1月31日
退役
その後 1941年5月22日に戦没
除籍
性能諸元
排水量 基準 9,400トン、満載 11,650トン
全長 588 ft
全幅 62 ft 4 in
吃水 20 ft 7 in
機関 海軍式三胴型重油専焼缶4基+パーソンズ式オール・ギヤードタービン4基4軸推進、82,000 shp
最大速力 32ノット(59 km/h)
乗員 800名
兵装 Mk XXIII 15.2cm(50口径)三連装砲4基
Mk XVII 10,2cm(45口径)高角砲連装4基
3ポンド砲単装2基
2ポンド4連装ポムポム砲2基
12.7mm四連装機銃2基
53.3cm水上魚雷発射管三連装2基
装甲 舷側:114mm(VP部、水線部のみ)
甲板:38mm(VP部のみ)
弾火薬庫:25〜114mm
主砲塔:102mm(前盾)、51mm(側盾)、-mm(後盾)、-mm(天蓋)
航空兵装 水上機3基、カタパルト1基

グロスター (HMS Gloucester, C62) は、イギリス海軍タウン級軽巡洋艦。艦名はイングランド南部の都市グロスターに因む。「The Fighting G.」の愛称で呼ばれた。

艦歴

「グロスター」はプリマスデヴォンポート造船所で1936年9月22日に起工した。1937年10月19日に進水し、1939年1月31日に就役した。

1939年9月、「グロスター」は第4巡洋艦戦隊の旗艦として東インド諸島で活動し、その年の残りはインド洋の哨戒に費やした。12月南アフリカサイモンズタウンに移動し活動した。

1940年5月に地中海に移動し、多くの戦闘を経験することとなる。6月にはMA3作戦で出撃中に他の巡洋艦4隻と共にイタリア駆逐艦3隻と交戦した(エスペロ船団の戦い)。7月7日にアレクサンドリアを出航し、翌8日にイタリア軍の空襲を受ける。艦橋に攻撃を受け多くが死傷し、その中には艦長のF・R・ガーサイド大佐も含まれた。その後1940年の後半は地中海東部およびエーゲ海で活動した。

8月15日、魚雷を搭載したイタリアのサヴォイア・マルケッティ SM.79が5機アレクサンドリアに来襲し、その内2機が「グロスター」を目標に魚雷を投下したが魚雷は泥に埋まったため「グロスター」に被害は生じなかった[1]

1941年1月、MC4作戦に参加。11日、軽巡洋艦「サウサンプトン」と共に航行中であった時にドイツ軍機による攻撃を受けた。この攻撃で「サウサンプトン」が失われた。また、「グロスター」にも爆弾1発が命中したがこれは不発であった。

3月にはマタパン岬沖海戦に参加し、4月には北アフリカ沿岸に対する何回かの砲撃に参加した。その後もう一度爆弾の直撃を受け小さな損害を受けた。

「グロスター」はクレタ島へのドイツ軍輸送部隊に対する艦隊の1隻としていくつかの戦果を挙げた。1941年5月22日、クレタ島北方14マイルのキセラ海峡においてドイツ軍のユンカース Ju 87急降下爆撃機の攻撃を受け、少なくとも4発の直撃弾と3発の至近弾を受け沈没した。723名が死亡し、82名が救助された。「グロスター」の沈没はイギリス史上最悪の戦時災害の1つとして考えられる。

ドイツ機の撮影したクレタ島沖で沈没する「グロスター」

「グロスター」の最後はBBCによって特集番組が制作された。これによれば「グロスター」の急送は単艦で燃料も対空砲の弾薬も僅かなまま(弾薬の残量は2割未満だったという)行われ、「重大な誤り」だったとされる。更に、日没後生存者の救助を試みなかったことは「通常の海軍慣例に反する」ものであった。生存者は「海軍の伝統では船が沈んだ場合、闇に乗じて生存者を救助するための船が派遣される。それは行われず、なぜなのかも分からない。我々はドイツ軍によって救助された。」と語った。

「グロスター」の沈没に関する別の調査はBBCのものとは異なる。これによれば「グロスター」と「フィジー」の両艦が弾薬の僅かなまま駆逐艦グレイハウンド」の生存者を救助するため急送され、猛烈な空襲のため弾薬を消耗した。2隻は後退の許可を得たものの、「グロスター」が沈められたのは後退途中のことであった。「フィジー」もその日の内に沈められた。

「グロスター」の沈没現場は軍事遺跡法によって保護されている。

脚注

  1. ^ Marco Mattioli, Savoia-Marchetti S.79 Sparviero Torpedo-Bomber Units, Osprey Publishing, 2014, pp.7,9

関連項目

外部リンク


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