サイコミュ試験用ザク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 10:02 UTC 版)
「ザクのバリエーション」の記事における「サイコミュ試験用ザク」の解説
ムック『ガンダムセンチュリー』の文字設定が初出で、『MSV』でデザインと追加設定が作られた。メカニックデザインは大河原邦男。『MSV』での名称は「サイコミュシステム試験用ザク」または「Zタイプ・ザク」で、そのほかでは「サイコミュ搭載試験用ザクII (PSYCOMMU MOUNTED TEST MODEL)」とも呼ばれる。さらに「ビショップ (BISHOP)」のコードネームをもち、本機およびジオングの開発を含むプロジェクトは「ビショップ計画」と呼ばれる。 サイコミュ搭載のニュータイプ用MS、ジオングのテストベース機として開発された機体のひとつで(ほかに、中型戦闘機とモビルアーマー (MA) のブラウ・ブロが開発されている)、本機の型式番号末尾の "Z" は「ジオング」の頭文字から採られたものである。ザクII F型をベースとしているが、使用されたのはメイン・フレーム程度で、通常MSの倍のサイズとなるジオングの基本フォルムを縮小してスラスター配置も極力合わせられたため、頭部に若干の面影を残す以外にザクとはかけ離れた外観となっている。ジオング同様、両前腕部に有線誘導式5連装メガ粒子砲を搭載することが第一に課せられた条件であったものの小型化ができず、ジオングに採用予定のものをそのまま装備したため、腕だけが大型化しマウンテンゴリラのような外観になっている。2号機では腕部ビーム砲が小型化されるが、出力不足と射出回収システムの不具合が頻発し、のちに1・3号機と同仕様に改装されている。モノアイは後方周回式に変更され、頭頂部から後部まで視認が可能となっている。スラスターの合計推力は338トンにおよぶが、稼働時間は約10分と短い。塗装は隠密にテストをおこなうため、ダーク・グリーンを基調とする(1号機はアイボリーであったともいわれる)。 冷却サーキットとメガ粒子砲の小型化の難航により、ブラウ・ブロより10日遅れで完成する。3機が製造されてザンジバル級実験母艦「レムリア」に搭載され、護衛に補給設備を増設したムサイ級軽巡洋艦も随行してコレヒドール暗礁宙域でテストがおこなわれる。パイロットは開発本部が選出した適合者複数名の中から、最終的に本国防空大隊所属を含む3名が専任として充当されているが、腕部メガ粒子砲のデータはパイロットの能力差によりばらつきが生じている。実戦参加はしていないともいわれるが、いくつかの戦闘記録が確認されている。 作中での活躍 漫画『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』では、ヤハギ・フランジバックが搭乗し、ア・バオア・クー防衛戦に参加している(ただし、ヤハギの夢の中での描写)。 スマートフォンゲームアプリ『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』のイベント「0079ペッシェ・モンターニュ ~序章 命、めぐりあいI~」では、ペッシェが搭乗。暗礁宙域で連邦軍MS隊と交戦し被弾、撤退する。なお、同ゲームでの機体名称は「サイコミュ試験搭載用ザクII」とされる。 ゲーム『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』のシナリオ「ミッシングリンク」では、ニュータイプの適性を示したマルコシアス隊のアンネローゼ・ローゼンハインのために、予備パーツから4機目が組み上げられる。胸部にマルコシアス隊の部隊章が描かれている。ア・バオア・クー防衛戦に参加するが、ペイルライダーとの交戦の際に行方不明となる。 『MSV』の設定を担当した小田雅弘の後年の発言によれば、2号機の専任パイロットはマリオン・フレイム少尉とされる。
※この「サイコミュ試験用ザク」の解説は、「ザクのバリエーション」の解説の一部です。
「サイコミュ試験用ザク」を含む「ザクのバリエーション」の記事については、「ザクのバリエーション」の概要を参照ください。
- サイコミュ試験用ザクのページへのリンク