サイエントロジー教会と精神医学
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「サイエントロジーと精神医学」の記事における「サイエントロジー教会と精神医学」の解説
1969年に世に出た著書 『信じたいものを信じなさい(en:Believe What You like)』では、サイエントロジー信者が秘密裏にイギリスの国立精神衛生協会に侵入し、精神疾患治療の公式な方針を変更しようとしていた試みを書いている。彼らは正体と計画が明らかになった後、協会から追放されたものの、サイエントロジー教会は間もなく数々の訴訟を国立精神衛生協会に対して起こした。 オペレーション・スノーホワイトのときには、サイエントロジー教会はサイエントロジーとその創始者L・ロン・ハバードに不都合な情報を消去しようと運動し、このことは1980年に明らかになったのだが、サイエントロジーの諜報機関、 ガーディアンズ・オフィスの工作員もまた同様の運動を世界精神衛生連盟と英国国立精神衛生協会に行っていたことが明るみに出た。 サイエントロジーの見解は以下の教会長の発言の引用に表されている: "教会が反対するのは残虐で、非人道的な精神科の治療方法である。それは現在のところ主に3つの理由による: 1)電気ショックや、薬物や、ロボトミーは助けるように装った傷害で、人間を不具にし、破壊するものである; 2)精神医学は科学ではなく、政府が何10億ドルもの資金を注ぎ込むことを正当化するような証明された手法を持っていない; 3)「人間は単なる動物である」という精神医学の理論は、第1次世界大戦と第2次世界大戦おける人間の大量虐殺の正当化に利用された。" 2006年10月のイブニング・スタンダード紙はサイエントロジーの精神医療職への強い反発を強調している: "特に目立つのは、デビッド・ミスキャベッジの劇的な――そしてどこか異様な――精神科医への攻撃で、彼の言葉はセンセーショナルなタイトルの『精神医学: 死の産業 』というサイエントロジー製のDVDが4つのハイデフィニションの巨大なテレビ画面で流れているのに後押しされている。[...]。「女性が深夜に一人で公園にいるほうが、精神科の長いすに座るより安全なのです」。ミスキャベッジは朗々と唱え、彼の背後には精神科医――彼らが呼ぶところのpsychs(蔑称)――の残虐な画像が展示されていて、精神科医たちはその存在を、まるでマシンガンで打ち抜かれたかのごとく、抹殺されている。" 教会は精神医学との戦いにほぼ勝利したと主張している。彼らの論文、「サイエントロジーに反論するものたち」において、そのことは以下のように宣言されている: "今日、一人の精神科医に対し500人のダイアネティックス実践者かサイエントロジー信者が存在している"そして"世界に何百万人もの教区民たちがすべての大陸に存在し、教会が彼らを点であらわすことによってサイエントロジー信者がかつて無く可視的である一方、精神科の開業医を探すものはたった1つのドアでさえ探すことに四苦八苦することになる。" サイエントロジーは全世界の信者数を800万人以上と主張しているが、この数字にはサイエントロジーの導入コースを体験しただけの者も含まれている。教会はアメリカに350万人の信者がいると主張しているが 、独自の調査によるとアメリカ合衆国に在住し、自らの宗教を「サイエントロジー」とはっきりと述べるものはほぼ5万5千人である。ちなみに、精神科医で構成されるアメリカ精神医学会と、心理学者で構成されるアメリカ心理学会の会員数はそれぞれ3万8千人と14万8千人である 。
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