コンタックスTシリーズ
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「コンタックス」の記事における「コンタックスTシリーズ」の解説
レンズにゾナーを搭載した単焦点コンパクト機シリーズ。高級コンパクトカメラという分野を築いた。名称は「小型の」を意味するTinyに由来する。 コンタックスT(CONTAX T 、1984年発売) - Tシリーズ初代機、かつヤシカが京セラに吸収されて以後最初の製品。135フィルムを使用し24×36mm(ライカ)判。マニュアルフォーカスコンパクトレンジファインダーカメラ。フラットなフロントカバーを前に倒すとレンズが出てくるというギミックが特徴。レンズは4群5枚ゾナー38mmF2.8、距離計連動し最短撮影距離は1m。クオーツ制御の絞り優先AE式電子シャッターでシャッター最高速1/500秒。京セラ、カール・ツァイス、ポルシェデザインによる共同開発。チタン製ボディが検討されたが、加工技術的に時期尚早として見送られた。専用フラッシュ・T14オートを装着することでフラッシュ撮影可能。電源はSR44×2個またはLR44×2個。製品自体の写真を除きカタログの写真を全てコンタックスTで撮影しレンズの高性能をアピールした。 コンタックスT2(CONTAX T2 、1990年11月発売) - Tシリーズ2代目、135フィルムを使用し24×36mm(ライカ)判オートフォーカスコンパクトカメラ。高級コンパクトカメラの代表的機種で他社の追随を生んだ。素材・デザイン・機能が有機的に統合された工業製品として長期にわたって好評を博し、コンタックスT3の発売以降も愛用するユーザーは多い。ボディーの素材にはチタンを、ファインダーカバーガラスにはサファイアガラスを、フィルム圧板には京セラのセラミックを新たに採用。レリーズボタンはTと同じく人工多結晶サファイア。レンズは沈胴式で、電源を入れるとチタンのカバーがスライドしてレンズがせり出す。レンズには絞りリング付き。電源ダイヤルはそのままフォーカスダイヤル(オートフォーカス/マニュアルフォーカス)として機能、また、露出補正には独立したダイヤルを採用するなど、操作性に優れる。レンズはゾナー38mmF2.8、最短撮影距離は0.7mに短縮された。最高シャッター速度1/500秒。AE絞り優先、及びプログラムモード。当時の定価120,000円。電源は本体CR123A×1個、デート用にCR2025×1個。コンタックスT2チタンブラック(1991年10月発売) コンタックスT2チタンゴールド(1991年10月発売) コンタックスT2ゴールド(1992年3月発売) - コンタックス発売60周年記念モデル。ウォールナットの収納箱と本革牛革ケースが付属した。国内2000台、海外4000台限定。ボディ表面は強度向上のため窒化処理してある。上下カバーが金イオンプレーティングしてあり、それ以外の箇所は黒。 コンタックスT2プラチナ(1992年3月発売) - ウォールナットの収納箱と本革牛革ケースが付属した。ボディ表面はプラチナコーティング処理してある。グリップ部はオストリッチを使用している。受注限定生産され定価240,000円。 コンタックスT2ブラック(1998年発売) - 通常モデルの生産終了後に、2000台限定で生産された。 コンタックスTix(CONTAX Tix 、1997年10月発売) - シリーズ唯一のAPSカメラ。コンタックスブランドのフィルムカメラではボディサイズ最小。最短撮影距離、シャッター機構、大きさ、デザインなどの面でコンタックスT3の前身となった。コンタックスT3・コンタックスTVS IIIに搭載されたダブルビトウィーンシャッター機構を初めて採用した機種で、レンズシャッター機では異例の最高速1/1000秒を実現している。ゾナー28mmF2.8を搭載、ライカ判換算で35mmの画角となる。定価120,000円(税別)。 コンタックスT3(CONTAX T3 、2001年3月発売) - Tシリーズ3代目。コンタックスブランドのコンパクトカメラ最後の機種となった。135フィルムを使用し24×36mm(ライカ)判。シリーズの高い描写性能はそのままに、コンタックスT2よりも小型化が図られている。当時の定価98,000円。レンズ画角を38mmからゾナー35mmF2.8に変更、最短撮影距離は0.35mに短縮、またその描写は鮮やかでコントラストが高いと評される。本体はオートフォーカスでの使用感を向上させた一方、露出補正やマニュアルフォーカスの操作はボタンの併用となった分、煩雑となった。シャッター最高速は1/1200秒に向上。
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