コロンビア丘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 07:28 UTC 版)
「グセフ (火星のクレーター)」の記事における「コロンビア丘」の解説
コロンビア丘に数種類の岩があることを発見され、クロービス、ウィッシュトーン、ピース、ウォッチタワー、バックステイ、インディペンデンスの6種類に分類、これらの名前は各グループの目立つ岩石に因んで名付けられ、APXSによって測定されたこれらの化学組成はお互い大きく異ることが判明した。最重要な点として、コロンビア丘にある全ての岩石は水のような流動体によって程度はあれ様々な変化を遂げていったとされる。また水溶液で周りに流れることができるリン、硫黄、塩素、臭素といった成分で満たされている。コロンビア丘の岩はそれぞれ異なる量のカンラン石と硫酸塩を含む玄武岩質ガラスでできている。ただし、カンラン石の豊富さは硫酸塩の量で反比例する。これはまさに水がカンラン石を壊すことで硫酸塩の生成を助けているを予測するものである。 クロービス群はメスバウアー分光法によってその中に針鉄鉱を検出したことから特段の注目を集めた。針鉄鉱は水が存在しないと形成されないため、コロンビア丘の岩石にはかつて水があったことを示す最初の証拠とされる発見だった。加えて、岩石と露頭のメスバウアー分光法ではカンラン石の存在の強い減衰を検知したが、岩石自体は一度カンラン石を多く含んでいた時期があったとされる。カンラン石は水によって簡単に分解されるため水の現象を示す目印である。また生成に水が必要な硫酸塩も発見されている。ウィッシュトーンは多量の斜長石、少量のカンラン石、無水物(硫酸塩)で構成されている。ピースでは硫黄が発見されたことで水に閉ざされていた強い根拠になっており、これにより水和型硫酸塩の存在が疑われている。ウォッチタワー型岩石はカンラン石が少ないが当然ながら水によって変化したものと考えられている。インディペンデンス型は粘土(おそらくスメクタイト群に属するモンモリロナイトと思われる)のいくつかのサインが発見された。粘土は形成のためにかなり長期な水に晒される必要がある。コロンビア丘にあるパソ・ロブルズという土壌の一種は大量の硫黄、リン、カルシウム、鉄で構成されているためかつて鉱床が存在したと考えられている。またパソ・ロブルズの土壌にあるメスバウアー分光法が発見した鉄は水が存在していたらあり得るとされる酸化型でFe+++の形式になっている。 6年間のミッション(わずか90日で済むと思われていた)の中間期において、土壌の中に大量の純粋なシリカが発見された。このシリカは温泉的な環境にある水や水が存在する中での火山性活動によって生成された酸性の蒸気と土壌の相互作用によって生成されたとされる。 スピリットの活動停止後、科学者たちは小型熱放射スペクトロメータ(英語版)の古いデータを研究し、炭酸塩を多く含む岩石の存在を確認した。これは火星におけるこの地域には一度水が潜んでいた可能性があることを意味するものだった。この炭酸塩は「コマンチェ」(Comanche)と名付けられた岩石の露頭で発見された。 これは、スピリットがグセフにある平原の僅かな風化の証拠を発見したが、湖があったという証拠を見つけることは出来なかった。しかし、コロンビア丘ではある程度の水の風化という明確な根拠があった。グセフクレーターには大昔湖があったことが信じられたものの、その後火成鉱物で成り立っていることが判明した。塵の全ては少量のチタンを含む磁鉄鉱と確認されている磁気構成物でできている。更に火星の全てを覆っている塵の薄いコーティングは火星の全ての部分において同じである。
※この「コロンビア丘」の解説は、「グセフ (火星のクレーター)」の解説の一部です。
「コロンビア丘」を含む「グセフ (火星のクレーター)」の記事については、「グセフ (火星のクレーター)」の概要を参照ください。
- コロンビア丘のページへのリンク