クイーン四冠と史上初の女流六冠
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「里見香奈」の記事における「クイーン四冠と史上初の女流六冠」の解説
奨励会退会決定後初めて公の場に姿を現した第43期女流名人戦就位式では、退会に際しての心境を告白。女流棋士として普及活動やイベントへの参加に力を入れていきたいとする考えを述べ、プロ編入試験を利用して棋士を目指すことについては「奨励会在籍時も退会した現在も考えたことはない」とした。 2018年度は、6月13日に奨励会退会後初のタイトル戦となった第29期女流王位戦にて挑戦者の渡部愛に1勝3敗で敗れ、女流四冠に後退した。番勝負に敗れての里見の失冠は2014年のマイナビ女子オープン以来4年ぶり。一方、女流王将、女流王座、倉敷藤花はいずれも防衛を果たし、2019年2月18日には女流名人戦で挑戦者の伊藤沙恵を3勝1敗で退けて女流名人10連覇を達成し、女流タイトル戦の連続在位記録としては女流王将10連覇の林葉直子と並び史上1位タイとなった。 2019年度は、第12期マイナビ女子オープンで西山朋佳に挑戦するも、1勝3敗で敗退。里見がタイトル戦で挑戦者として敗退したのはこれが最初であった。第30期女流王位戦で渡部愛に挑戦し、3勝1敗で女流王位を奪還して女流五冠に復帰し、通算5期獲得によりクイーン王位の称号を得た。 2019年6月28日、第91期棋聖戦(男性棋戦)1次予選で都成竜馬に勝ち、男性棋戦での連勝を4とし、男性棋戦での女流棋士の連勝記録を更新した。 女流タイトル戦として新設された第1期ヒューリック杯清麗戦で、予選・本戦を勝ち抜き、決勝に進出。里見と同じく決勝進出者となった甲斐智美との五番勝負は、里見が3連勝のストレート勝ちで初代清麗に輝くとともに、史上初の女流六冠を達成した。 女流七冠(全冠独占)まで残るは女王のタイトルとなるも、第13期マイナビ女子オープン本戦トーナメント1回戦で伊藤沙恵に敗れて2020年度の女流七冠がなくなり、第41期女流王将戦と第9期女流王座戦では、いずれも挑戦者となった西山朋佳に敗れ、女流四冠に後退した。 2020年2月11日、第46期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負では、里見女流名人が谷口女流三段を3連勝で下して防衛を決め、11期連続での女流名人となった。同一タイトル戦11連覇は林葉直子の女流王将戦10連覇を抜き、歴代1位となった。同年4月1日付けで女流六段に昇段した。 2021年2月7日、加藤桃子女流三段を挑戦者に迎えた第47期女流名人戦は3連勝で加藤を下し、12期連続での防衛を果たすとともに、自身の持つ女流タイトル戦連続制覇記録を更新した。また、獲得した女流タイトル戦が通算43期となり、清水市代女流七段と並んで歴代1位タイとなった。 2021年6月2日、第32期女流王位戦五番勝負で挑戦者の山根ことみ女流二段を3連勝で下して防衛を果たした。これによって獲得女流タイトル数が歴代単独1位の通算44期となり、新記録更新となった。 2022年、女流棋士枠で出場した第48期棋王戦では予選を勝ち進み、決勝へと進出。時期を同じくしてプロ公式戦の対局でも星を集め、予選決勝の古森悠太五段との対局は「女性初のタイトル棋戦本戦出場」と「女性初のプロ編入試験受験資格の獲得」の2つがかかった大一番となった。5月27日に行われた対局の様子はABEMAで生中継され、99手で里見が勝利し上述の2つを共に達成した。
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