エメリッヒ版以前の北米版ゴジラ
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「GODZILLA」の記事における「エメリッヒ版以前の北米版ゴジラ」の解説
GODZILLA King of the Monsters 3-D (1983年) 1983年に『13日の金曜日 PART3』などの映画監督スティーヴ・マイナーにより企画された。脚本はフレッド・デッカー。3D映画でゴジラは日本式のぬいぐるみではなくストップモーション・アニメーションで撮影される予定で、画家のウィリアム・スタウトが絵コンテを、彫刻家・アマチュア恐竜研究家であるスティーブン・ツェルカスは検討用モデルを製作し、デイビッド・アレンがゴジラ本体を、リック・ベイカーがクローズアップ用の頭部などを製作することに決まり、ドリームクエストとILMがVFXを担当することになった。 スタウトはゴジラを肉食恐竜に似たデザインにし、恐竜以前に存在した、体内に核エネルギーを持つ太古の生物という設定で、放射能火炎を吐くシーンもある。現在、いくつかのイメージボードやコンセプトアート、検討用モデルを見ることが出来る。 ソ連の核ミサイルが太平洋上で誤爆し、深海から放射能で突然変異した恐竜が出現。メキシコの海岸に打ち上げられた恐竜のこどもの死体を追って母ゴジラがサンフランシスコを破壊するというストーリーであった。劇中にはゴジラの幼体が登場し、またゴジラが人間の子供と心を通わせるようなシーンもある。 マイナーは企画の売り込みに奔走し、ワーナーブラザーズで決まりかけたが、予算額で折り合いがつかなかった。マイナーは20世紀FOXにも企画を持ち込むが、同様の理由で頓挫。1984年末に本作の製作は中止となった。 GODZILLA (1994年) 1994年にヤン・デ・ボン監督の予定で、後に「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズを担当することになるテッド・エリオットとテリー・ロッシオによって脚本が執筆されたが、製作費の問題で最終的に内容を大幅に改変され、1998年版『GODZILLA』の原案となった。製作費が高額になった理由は、ゴジラファンであるデ・ボンが着ぐるみにこだわり、CGを使わずにミニチュアセットを作って撮影しようとしたためであり、スタジオと意見が対立したデ・ボンは降板している。 ゴジラは地球の古代文明が遺した生物という設定で、身長250フィート(約80メートル)と描写されている。デザインはスタン・ウィンストンが担当し、デ・ボンが着ぐるみを希望していたため人型に近いデザインになっている。ゴジラが体内に持つ核エネルギーの活動を抑制する「羊水のような液体」が登場し、これを使って軍がゴジラを捕獲するシーンがある。敵役として、地球侵略を狙う異星人が送り込んだ探査機により誕生した有翼の巨大怪獣「グリフォン」が登場し、クライマックスでは両怪獣がニューヨークで激突する。 主演には高倉健が予定されていた。これは、デ・ボンが撮影監督時代に『ブラック・レイン』で一緒に仕事をして以降、互いに交友を深めた縁からでもあった。デ・ボンは高倉をロサンゼルスに呼び、テスト撮影まで行っている。
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