エシカルファッション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 23:28 UTC 版)
以下のような過程で作られた衣類、ファッション雑貨やアクセサリー及びそれらを重視したスタイルを、エシカルファッションと呼ぶ。 素材の選定、購入において、テキスタイルであればオーガニックコットンや天然染料を用いたものを使う、皮革であれば食肉の副産物を利用する、浄化システムを完備した工場で作られた素材を使う、金具パーツであれば紛争の資金源になるようなメタルは使わないなど。 企画・デザインにおいて、材料の無駄がでないようなデザインを心がける、大量生産や廃棄を促進するファストファッションではなく、定番のアイテムを企画・デザインするなど。 製造において、フェアトレード(最低価格の保証、フェアトレード・プレミアムの支払い、長期的な安定した取引、前払い、児童労働・強制労働の禁止、安全な労働環境、民主的な運営、労働者の人権を守るなど)や環境負荷の低減(CO2や水を大量使用しない、毒性の高い成分を河川や大地などに排出しないなど)などに配慮する、手仕事や伝統技法を多用するなど。 エシカルファッションのルーツは60年代頃に生まれたヒッピーファッション、自然派ファッションに遡る。言葉としては2004年にフランスのパリで開催された「エシカルファッションショー」で使用されたのが最初と言われている。その後欧米を中心に急速に普及してきたが、2013年のラナプラザ崩壊事故により世界的に大きなムーブメントとなる。ラナプラザ崩壊事故とは、バングラディシュで、縫製工場の入ったビルが倒壊し1129人が死亡した産業事故。この縫製工場では多くの世界的に有名なブランドの製品が作られていたが、ブランド側は彼らの劣悪な労働環境を把握しておらず、そのため事故責任も果たそうとしなかった。同様に、フェアトレードを自称しているブランドでも、フェアトレード認証を持った海外の工房から買い付けをしているだけで、自社工房を持っているわけでも現地に自社駐在員を派遣しているわけでもなく、実際の現地の労働環境は把握できていないというブランドは未だに多く問題となっている。 様々な課題は抱えつつも、次世代のファッションのあり方として確実に注目を集めており、市場規模は世界的に成長している。日本においてはまだまだ市場が大きいとはいえないが、これらのコンセプトにのっとったブランドが少しずつ出はじめ、注目されている。
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