エイスケの文士仲間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 03:17 UTC 版)
上原 世津子(うえはら せつこ) 演 - 草笛光子 新宿で文士が集う喫茶店「カフェ・セ・ラ・ヴィ」のマダム。洋服を好む。文士を育て、雑誌「婦人現代」を創刊。愛称は「せっちゃん」。 芸者時代には健太郎とも「付き合い」があったらしいが、当の本人は岡山での生活(婚約者の光代)を選んだ。ある作家と一緒になることを夢見て尽くしたこともあったが、有名になった途端に捨てられて金持ちの女性に取られたという過去もある。 プロレタリア文学の作家も支援したことで当局から目をつけられ、森を逃走させた後自らも姿を消す。終戦後も消息不明だったが、上海からやつれた姿で帰国する。 戦争を通じて人間の愚かさを思い知り、エイスケの死もあって、文士を育てることからは手を引こうとするも、淳之介の書いた小説を読んでかつての熱情を取り戻し、「婦人現代」を再刊する。 最終週には、かつて交際しており、妻を亡くし今際の際にあった小説家・長堀俊介を看取るため岩手へ移住することをあぐりに伝える。 辻村 燐太郎(つじむら りんたろう) 演 - 野村宏伸 エイスケの文士仲間。架空の人物で、特定のモデルは存在しない。口調が丁寧でドイツ語ができ、二枚目のために女性によくもて、山岡真知子と中村民子から思いを寄せられる。本人はあぐりに好意を寄せるが、南方の戦地への取材へ行く前に今村つた子と結婚する。(戦後の時点ではつた子との間に既に息子の悠介がおり、成長している。) エイスケよりも早く出版社から才能を評価される。 淳之介に文才(というよりはエイスケの姿)を見出し、彼が高校に通っていた頃から指導するとともに父親代わりであった。 終戦直後は自分の書いた戦争を鼓舞する作品がある兵士を死に追いやったとして自分を責めてスランプに陥っていたが、同じく自分の書いた詩がある人の自殺を思いとどまらせたことを知ると立ち直った。 淳之介の小説が芥川賞候補となった時には選考委員の1人だった。 森 潤(もり じゅん) 演 - 森本レオ エイスケの文士仲間。自由を求めて全国を放浪している。賭け事を好み、独特な言い回しをしたり回りくどい言い方をして煙に巻いたりするも、あぐりは好印象を抱く。 東京大震災時には青森を放浪していたために被害から免れる(たまたまエイスケを呼び出したことで被災せずに済んだため、あぐりからは「命の恩人」と呼ばれる)。 戦時中、無政府主義者の疑いで特高に狙われ、世津子の援助で上海へ高跳び。戦後、いち早く帰国し、温泉旅行に行く淳之介と再会すると同行して飲み食い旅館代を払わせた。 常に金に困っているがたかりの名人である(健太郎→エイスケ→淳之介の三人からたかっており、曰く「三代からたかった」)。 辻潤がモデルではあるが、辻が戦時中に亡くなったのに対し、森は戦後も登場する。 川原 甚八(かわはら じんぱち) 演 - 東根作寿英 エイスケの文士仲間。プロレタリア作家。作風の違いから対立気味であった。 戦時中、特高に逮捕され釈放されたが、ひどい拷問に遭って心を病んでしまい、実家へ帰った。 高山 ヒロシ(たかやま ヒロシ) 演 - 秋山武史 「カフェ・セ・ラ・ヴィ」のマスター。独身。 世津子失踪後もカフェを守り続け、戦時中は「珈琲 世良美」に改名して営業を続けた。終戦後は店名を戻しジャズ喫茶として復興させる。 鈴音(すずね) 演 - 小林恵 深川の芸者。「スズメ」と呼び間違えられるのが悩みの種。エイスケを「お兄ちゃん」と呼び、世津子を「姐さん」と呼ぶ。 世津子の逃亡をエイスケらと手助けしたのち、エイスケが突然亡くなった際には信じられずに泣き崩れていた。 昭和19年時には盛岡へ疎開した設定が語られ、戦後には登場しなかった。
※この「エイスケの文士仲間」の解説は、「あぐり」の解説の一部です。
「エイスケの文士仲間」を含む「あぐり」の記事については、「あぐり」の概要を参照ください。
- エイスケの文士仲間のページへのリンク