イングリッシュ・コンサーティーナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 09:16 UTC 版)
「コンサーティーナ」の記事における「イングリッシュ・コンサーティーナ」の解説
クロマティック式(押し引き同音式)。「英国式コンサーティーナ」の意。ピアノでいう黒鍵と白鍵に相当する半音階のボタン(♯/♭) を網羅しているので、ダイアトニック式と違い、1台あれば長調でも短調でも、どんな調の曲にも対応できる。20ボタン、48ボタン、56ボタンなど様々なサイズがあり、ボタン鍵の数が多いほど音域は広い。蛇腹の操作性などとのバランスもあり、48ボタン(48鍵)を使う演奏者が多い。蛇腹操作の特性上、蛇腹の長さはダイアトニック式にくらべて比較的短く、また、なめらかな曲を弾くのにも向いている。 イングリッシュ・コンサーティーナの外見上の特徴は、左右の板面にサム・ストラップ(親指をくぐらせるベルト)とフィンガー・レスト(小指を置く耳のような形の金具。「指掛(ゆびかけ)」)がある点で、それによってアングロ・コンサーティーナと見分けることができる。また、イングリッシュのボタン鍵盤の配列の形も、アングロとは異なっている。 メロディーと和音伴奏を同時に演奏することもできるが、高音と低音のボタンが左右それぞれに入り交じっているという複雑なボタン配列の特性上、バイオリンのようにメロディーだけを弾く人も多い。 ボタン鍵盤は通常、左右の手の人差し指、中指、薬指の計6本で弾く(三指法)。左右の手の親指はサム・ストラップにくぐらせて楽器を支えるのに使う。小指はフィンガー・レストに引っかけて楽器のバランスを取るが、他の指の動きにあわせて一時的にフィンガー・レストから離すこともある。 ただし、親指を除く4本の指全部でボタン鍵を弾く「四指法」のスタイルの演奏者も少なくない。この場合、小指は一時的ないし恒久的にフィンガー・レストから離して弾く。初期のイングリッシュ・コンサーティーナの名手であったジュリオ・レゴンディ(英語版 Giulio Regondi)も、小指を人差し指・中指・薬指と同様に使い、フィンガー・レストはあまり使わなかった、と伝えられる。 イングリッシュ・コンサーティーナを発明したイギリスの物理学者、サー・チャールズ・ホイートストン(1802-1875)の肖像。 ホイーストンの初期のコンサーティーナ(1831年~37年ごろ)。まだボタン鍵の数は少なく、小指を置くフィンガー・レストの構造も簡素である。彼自身が自分の楽器を「コンサーティーナ」と呼ぶようになるのは、もっと後である。 左の楽器の内部構造。 ジュリオ・レゴンディ(1823-1872)の肖像。クラシック・ギターとコンサーティーナの名演奏家で、作曲家でもあった。欧州各地でコンサーティーナを弾きまくり、大評判となった。 19世紀末のイングリッシュ・コンサーティーナ。現在のモデルとほとんどデザインが変化していない。蛇腹楽器では珍しいことだが、メンテナンスが十分な高級品のコンサーティーナは、100年以上前の中古品であっても、現在の市場で高値で取り引きされる。 イングリッシュ・コンサーティーナの鍵盤図。「ドレミファ…」を弾くためには、図のいちばん下の行から上に向かって、右手でド、左手でレ、右手でミ、左手でファ……のように左右それぞれの鍵盤のボタンを交互に弾く。
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三浦みゆき アコーディオン&コンサーティーナの日々 イングリッシュ・コンサーティーナの教室情報も。 三浦みゆきのコンサーティーナの時間 WALLOPの番組(毎週水曜日 18時30分) イングリッシュ・コンサーティーナ教本 三浦みゆき ISBN 4-88371-563-9 八角手風琴 Maki Aozasa - ウェイバックマシン(2007年5月29日アーカイブ分)
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