アナディル作戦とは? わかりやすく解説

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アナディル作戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 18:11 UTC 版)

キューバ危機」の記事における「アナディル作戦」の解説

そのような状況下で、キューバソ連の関係は一層親密化しカストロアメリカキューバ侵攻備えてソ連最新鋭ジェット戦闘機地対空ミサイルなどの供与要求しはじめた。しかしソ連1962年夏には、最新兵器の提供の代わりに秘密裏核ミサイルキューバ国内配備するアナディル作戦(ロシア語版) を可決しキューバ側のカストロもこれを了承したキューバへのミサイル配備フルシチョフ検討始めたのは1962年4月終わり頃で、ミコヤン第一副首相との会話の中でミサイル配備話題となり、その後マリノフスキー国防相とも協議始めている。ミコヤン当初懐疑的であった。後にフルシチョフ書いた回顧録によると彼がキューバミサイル配備した動機何よりもキューバ防衛であった。しかしただ防衛だけであったなら、わざわざ隠密に極秘核ミサイルを運ばなくても堂々とキューバ協定結んで通常兵器供与する方がケネディ反対できなかったし、仮にそれが小規模のものであってもアメリカ攻めて来る場合ソ連兵直接戦闘となるリスク生じ歴史上初めアメリカソ連直接武力で戦う覚悟を必要とし、それ故アメリカキューバ侵攻抑止になると考える方が自然である。そう考えなかったフルシチョフにはミサイル配備バランスアメリカ均衡させるためにあえて核ミサイル配備こだわったと言える。 アナディル作戦の背景には、当時核ミサイル攻撃能力大幅な劣勢に立たされていたソ連がその不均衡挽回する狙いがあった。アメリカ本土ソ連攻撃可能な大陸間弾道ミサイル配備し加えて西ヨーロッパ、そしてトルコにも中距離核ミサイル配備していた。これに対しソ連大陸間弾道ミサイルはまだ開発段階で、潜水艦爆撃機による攻撃以外アメリカ本土直接攻撃する手段を持たなかったといわれるソ連がアナディル作戦でキューバへの軍事力の展開をするには事前発覚避けそれでいて高性能戦闘機地対空ミサイル、それを管理する部隊大量装備品、そして約5万人の派兵が必要でそれらの人員装備品輸送する船舶がおよそ85隻が必要であり、しかもその船舶何回往復しなければならなかった。この時に運んだ人員および装備以下の通りである。 戦術核兵器 中距離弾道ミサイルIRBM24基、準中距離弾道ミサイルMRBM36陸上兵力 4個連隊合せて1万4000名。これらは機甲化されていないが各連隊戦車大砲対戦車ミサイル装備。そして射程40キロ短距離ロケット36基。 航空兵軽爆撃機イリューシン」(Il-2842機、戦闘機MiG-2140機、その他地対空ミサイル72基。 沿岸防衛 巡航ミサイルKR-180基、巡航ミサイル(S-2)32基、巡視艇12隻。 この他に、海上兵力として潜水艦11隻なども予定していたが、結局キューバには送られなかった。そしてキューバ派遣され人員は45234名で、この内海上封鎖始まった時点で3332名はまだ公海上であった。

※この「アナディル作戦」の解説は、「キューバ危機」の解説の一部です。
「アナディル作戦」を含む「キューバ危機」の記事については、「キューバ危機」の概要を参照ください。

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