黙示録
英語:apocalypse
「黙示録」とは、キリスト教における終末論が述べられている書のことであり、基本的には「新約聖書」の最後に配置されている「ヨハネの黙示録」のことである。「旧約聖書」における「ダニエル書」や「エゼキエル書」ならびに「新約聖書」のいくつかの外典などの「黙示文学」を、黙示録に含めて扱う場合もある。
キリスト教に関係のない文脈で「終末」「この世の終わり」の意味で「終末論的世界」のように表現することもある。仏教では「末法の世」という。
「ヨハネの黙示録」の概要
「ヨハネの黙示録」は、著者ヨハネが幻視した「終末の世界」を自ら語った書である。このヨハネは、洗礼者ヨハネとは別人であり、福音書を著した使徒ヨハネとも(伝統的には同一人物説が唱えられてきたが)別人ではないかと考えられている。「ヨハネの黙示録」は五つの章で構成されており、この世の終わり(終末)の有様と、その時に起こる「最後の審判」や「神の国の到来」といった出来事が語られている。その内容は「預言書」的である。
「ヨハネの黙示録」によれば、終末には「七角七眼の子羊」が解く「七つの封印」によって世界に大災厄が起こり、その後に神の国が到来するという。この大災厄は、ほぼ世界の崩壊とも言い得る壮絶な災いである。しかし大災厄は罪に満ちた世界を一新するために必要な過程である。黙示録そのものは救済への希望や期待が込められた書といえる。
「ヨハネの黙示録」に登場する「天使がラッパを吹く」「神の怒りが大地に降り注ぐ」「千年王国が築かれる」といったイメージは、文学的モチーフとして後世の多くの創作の源泉となっている。
「黙示録」の発音・読み方
「黙示録」の読み方は、「もくしろく」である。「もくじろく」とは読まない。「黙示」の語そのものは、「明示」と対比して「もくじ」と読まれることもある。
「黙示録」を含む様々な用語の解説
黙示録の四騎士(漫画)とは
「黙示録の四騎士」とは、鈴木央が週刊少年マガジンにて連載していた「七つの大罪」の続編となる漫画である。同誌の2021年9号より連載が開始されている。2023年3月現在時点で既刊11巻。地獄の黙示録(映画)とは
「地獄の黙示録」とは、1979年に発表されたアメリカ合衆国の戦争映画のタイトルである。1902年に出版されたジョゼフ・コンラッドの小説「闇の奥」を原作としている。監督はフランシス・フォード・コッポラである。映画「地獄の黙示録」は、ベトナム戦争を舞台とし、戦時中の人間模様が叙事詩的に描かれている。発表年(1979年)のカンヌ国際映画祭では同作が最高賞「パルム・ドール」に選出されている。アカデミー賞でも撮影賞および音響賞を受賞した。映画史に残る名作と名高い。
もくしろく【黙示録】
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