布施の山祭りとは? わかりやすく解説

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布施の山祭り

名称: 布施の山祭り
ふりがな ふせのやままつり
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 布施
選択年月日 1994.12.13(平成6.12.13)
都道府県(列記): 島根県
市区町村(列記): 隠岐郡隠岐の島町
代表都道府県 島根県
備考 所在地同一都道府県内のもの(このデータ種別1から移行しています)
解説文: この行事は、毎年四月初丑の日に行われ今風にいえば山開き祈願行事である。
 祭の準備は、前日「帯裁【おびた】ち」といって山入りをして山蔓と大【さかき】を採ることから始まる。大神輿【みこし】のように若者たちのなかを担ぎ回り最後は宿になる世話人のジジヤク(爺役)の家の前に立てたが、現在は個人の家ではなく春日神社社務所前に立てる。山蔓やまかずら】は、翌日行事が行われる南谷および中谷大山神社荒神様それぞれもって行く。また、御幣【ごへい】だきという役に選ばれた人(現在は区長)は、二日前から別火で、朝の水垢離みずごり】をしなければならない料理役をババヤク(婆役)といい、中年の女姓のなかから、ジジヤク同様に事前に決めていた。また、以前七、八歳から一〇歳くらいまでの少年に、一軒一軒めぐって宿への案内口上させるなど、挙げて行事であった
 翌丑の日は、若者春日神社社務所集まり朝酒木遣【きや】り歌を歌う。半纏はんてん】に鉢巻姿である。鉢巻後部には、小枝小さな御幣をつけたもの挿している。御幣だきが持つ長さ七尺二寸(約二・一メートル)の大ヌサ御幣)を先頭に、太鼓合わせて木遣り歌歌いながら南谷へ向かう。
 祭場になる南谷および中谷大山神社、それに荒神様には鳥居の奥に社殿がない。正面生えている大木御神体代わりとなる。その大木に、木遣り歌合わせて山蔓を七巻き半巻く「帯締【おびし】め」の行事が行われる。
 帯締めは、片方大木に結びつけて長く伸ばし神木の側には木遣り歌を歌う指導役先輩位置占め、端は中間の先輩が握る。中央最下級の若者をおいて握らせ木遣り歌合わせて前後激しく揺する。すると中央の者が振り回され転び、それを見て見物人の間から歓声がおこる。
 木遣り歌昭和初めごろまでは新造船の進水式家造り地固めにも歌われたが、現在は山祭りにのみ残っている。歌が済むと右巻き巻きつけ、継ぎ足しの分を足して同様のことを繰り返して巻きになったところで結んで終わる。巻き上げたの帯に、御幣だきが大御幣を挿す男の子を持つ家では、「大山神社と書いた小さな幟【のぼり】の片方男の子の名を書き添えて挿す元来一人前山師になることを願う気持ち込められていたという。同様のことを他の二か所でも行う。
 三か所の聖地は、神の鎮座する社の古い形式とどめるものと考えられまた、島内山陰地方では荒神神木藁縄見立てて巻きつける行事があるが、布施村の山祭り帯締めは、そのさらに古い姿を残すものとの見方もできるものである



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