ひることは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > ひるこの意味・解説 

ひるこ【蛭子/水蛭子】

読み方:ひるこ

日本神話で、伊弉諾(いざなぎ)・伊弉冉(いざなみ)二神の間に生まれた第一の子3歳になっても足がたたないので舟に乗せて海に流したという。中世以後恵比寿(えびす)信仰と結びついて尊崇された。ひるのこ


ひるこ 【蛭子】


蛯子

読み方
ひるこ

蛭子

読み方
蛭子ひるこ

ヒルコ

(ひるこ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/06 13:11 UTC 版)

国生み神話 SVGで表示(対応ブラウザのみ)

ヒルコ(水蛭子、蛭子神、蛭子命)は、日本神話に登場する。蛭児とも[1]

神話の記述

古事記』において国産みの際、イザナキ(伊耶那岐命)とイザナミ(伊耶那美命)との間に生まれた最初の神。しかし、子作りの際に女神であるイザナミから先に男神のイザナキに声をかけた事が原因で不具の子に生まれたため、葦船に入れられオノゴロ島から流されてしまう。次に生まれたアハシマと共に、二神の子の数には入れないと記されている。棄てられた理由について『古事記』ではイザナキ・イザナミ神の言葉として「わが生める子良くあらず」とあるのみで、どういった子であったかは不明[2]。後世の解釈では、水蛭子とあることから水蛭のように手足が異形であったのではないかという推測を生んだ[2]。あるいは、胞状奇胎と呼ばれる形を成さない胎児のことではないかとする医学者もある[3]

日本書紀』では「蛭児」と表記される。一書には複数回現れ、イザナギ・イザナミが生んだ最初または2番目の神として『古事記』に似たものもあるが、本文では三貴子(みはしらのうずのみこ)のうちアマテラスツクヨミの後、スサノオの前に生まれ、三歳になっても脚が立たなかったため、天磐櫲樟船(アメノイワクスフネ。堅固なクスノキで作った船)に乗せて流した、とする。中世以降に起こる蛭子伝説は主にこの日本書紀の説をもとにしている[2]。この「三歳」は日本書紀で最初に年を数えた記述である。

始祖となった男女二柱の神の最初の子が生み損ないになるという神話は世界各地に見られる。特に東南アジアを中心とする洪水型兄妹始祖神話との関連が考えられている。

伝承・信仰

流された蛭子神が流れ着いたという伝説は日本各地に残っている。『源平盛衰記』では、摂津国に流れ着いて海を領する神となって夷三郎殿として西宮に現れた(西宮大明神)、と記している[2]。日本沿岸の地域では、漂着物をえびす神として信仰するところが多い。ヒルコとえびす(恵比寿・戎)を同一視する説は室町時代からおこった新しい説であり、それ以前に遡るような古伝承ではないが、古今集注解や芸能などを通じ広く浸透しており、蛭子と書いて「えびす」と読む地名ならびに名字も存在する。現在、ヒルコ(蛭子神、蛭子命)を祭神とする神社は多く、和田神社(神戸市)、西宮神社兵庫県西宮市)などで祀られているが、恵比寿を祭神とする神社には恵比寿=事代主とするところも多い。

平安期の歌人大江朝綱は、「伊井諾尊」という題で、「たらちねはいかにあはれと思ふらん三年に成りぬ足たたずして」と詠み、神話では触れていない不具の子に対する親神の感情を付加し、この憐憫の情は、王権を脅かす穢れとして流された不具の子を憐れみ、異形が神の子の印(聖痕)とするのちの伝説や伝承に引き継がれた[2]。海のかなたから流れ着いた子が神であり、いずれ福をもたらすという蛭子の福神伝承が異相の釣魚翁であるエビス(夷/恵比寿など)と結びつき、ヒルコとエビスの混同につながったとされる[2]。また、ヒルコは日る子(太陽の子)であり、尊い「日の御子」であるがゆえに流された、とする貴種流離譚に基づく解釈もあり、こちらでは日の御子を守り仕えたのがエビスであるとする[2]

不具の子にまつわる類似の神話は世界各地に見られるとされるが、神話において一度葬った死神を後世に蘇生させて伝説や信仰の対象になった例は珍しいという[3]

脚注

  1. ^ 蛭児日本人名大辞典
  2. ^ a b c d e f g 中村一基「童子神の変容 : 水蛭子から夷三郎殿へ」『岩手大学教育学部研究年報』第51巻第1号、岩手大学教育学部、1991年10月、21-13頁、doi:10.15113/00011670ISSN 0367-7370NAID 110000109031 
  3. ^ a b 原田信一「水蛭子神話論攷」『駒沢大学文学部研究紀要』第52号、駒澤大学、1994年3月、147-194頁、ISSN 04523636NAID 110006992962 

関連項目

外部リンク


ひるこ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 07:15 UTC 版)

サイコダイバー・シリーズ」の記事における「ひるこ」の解説

おとめ(未詳)、毒島獣太パートナー自称する妖怪じみた老婆その実態は呪詛を得意とする陰陽師毒島獣太惚れているが、いざとなったら平気で彼を囮や盾にする人間離れし俊敏さ跳躍力併せ持つ毒島いわく、インチキ陰陽師で、チンパンジー似ている

※この「ひるこ」の解説は、「サイコダイバー・シリーズ」の解説の一部です。
「ひるこ」を含む「サイコダイバー・シリーズ」の記事については、「サイコダイバー・シリーズ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ひるこ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「ひるこ」の例文・使い方・用例・文例

  • 屁をひること
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ひるこ」の関連用語

1
英彦山 デジタル大辞泉
100% |||||

2
100% |||||

3
100% |||||

4
100% |||||

5
100% |||||

6
100% |||||

7
100% |||||

8
100% |||||

9
100% |||||

ひるこのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ひるこのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
中経出版中経出版
Copyright (C) 2024 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
EDRDGEDRDG
This page uses the JMnedict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヒルコ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのサイコダイバー・シリーズ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS