証人喚問
国会(衆議院および参議院)、地方議会の百条委員会などにおいて、特定の事件などの証人を議会に出頭させ、証言を行わせること。証人喚問は重大事件や、国民(住民)の関心が高い事件が発生した場合に行われることが多い。
国会の場合、証人喚問を行う権利は「議院の国政調査権」の一環として、憲法62条に定められている。具体的な手続きなどは、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(議院証言法)で定められている。地方議会の場合、地方自治法第100条第1項において、議会が事件の関係者に出頭および証言を求める権利(百条調査権)が規定されている。
議院証言法では、証人が証人喚問において虚偽の証言をした場合、偽証罪に問われることが定められている(第6条)。また、証人が正当な理由なく出頭を拒むと、処罰の対象となる(第7条)。しかし、証人やその親族などが証言によって刑事訴追や有罪判決を受ける可能性がある時には、証人には証言拒絶権も認められている(第4条)。
国会における証人喚問は主に、重大な汚職事件などの当事者を対象としてきた。特に、ロッキード事件やダグラス・グラマン事件などに関連する証人喚問の事例がよく知られている。
2014年1月に日本維新の会は、河野洋平と朝日新聞社社長を国会に証人喚問し、いわゆる従軍慰安婦の強制性を認めた「河野談話」に関する証言を行わせるための署名運動を開始した。
なお、証人喚問は「参考人質疑(参考人招致)」とは異なる。参考人質疑は国会法第106条および衆参両院の議院規則で定められており、参考人は偽証罪に問われることはない。また、証人喚問は「証人尋問」とも異なる概念である。
関連サイト:
議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律 - 総務省e-gov
地方自治法 - 総務省e-gov
しょうにん‐かんもん〔‐クワンモン〕【証人喚問】
証人喚問(しょうにんかんもん)
憲法で定められた国会の国政調査権のひとつだ。KSD問題をめぐり、自民党の村上正邦氏が参議院予算委員会で証人喚問を受けた。政治家のスキャンダルや企業の不祥事があると、証人喚問が行われる。過去にはリクルート事件の竹下故首相が証人喚問を受けた。
証人喚問の対象は政治家に限らない。1993年10月には、テレビ朝日の報道局長が証人喚問を受けた。最近では、1999年12月に商工ローン「日栄」社長らに対する証人喚問が行われた。
証人喚問は、議院証言法にもとづき、国会の委員会で開かれる。多くは予算委員会で開かれるようだ。野党議員などが証人喚問を委員会に要求し、それが認められると証人喚問が実施される。
証人喚問が決定すると、証人は出廷の義務があり、正当な理由がない限り断ることはできない。証言では、証人はまず「真実」を述べる旨の宣誓をする。議院証言法には偽証罪の規定がある。証人の証言がウソであった場合、偽証罪で告発されることがある。
証人喚問の様子は、長く動画中継が禁止されていたが、1998年から解禁された。委員会での議決のもと、テレビでその様子を放映することが可能だ。村上前議員の証人喚問の様子は、NHKで生放送された。
(2000.10.29更新)
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