【嘉手納空軍基地】(かでなくうぐんきち)
U.S Air Force Kadena Air Base.
沖縄県中頭(なかがみ)郡嘉手納町、北谷(ちゃたん)町及び沖縄市にまたがって所在するアメリカ空軍の航空基地。
様々な呼び名があるが、公的資料では「嘉手納飛行場」と呼称されている。
敷地の総面積は約19.95km²もあり、日本最大の商用空港である羽田空港の約2倍にも及ぶ。
本基地は3.7kmの滑走路を2本有し、軍用機が200機近く常駐する、極東最大の空軍基地でもある。
基地内の居住地区には基地司令部や兵舎・通信施設のほか、家族住宅、病院、幼稚園、小・中・高等学校、図書館、映画館などの娯楽施設が設置されており、およそ20,000人の軍人・軍属とその家族が基地内に居住している。
当初は日本軍の「中飛行場」として建設されたが、太平洋戦争(大東亜戦争)末期の1945年、沖縄戦で上陸してきたアメリカ軍によって占領され、「嘉手納飛行場」として使用が開始された。
所在部隊
- 第18航空団
アメリカ空軍の単一の戦闘航空団では最大規模。
補助航空団とあわせて「チーム・カデナ」とよばれ、世界トップクラスの規模と戦力を誇る戦闘航空団として知られている。
F-15C/D戦闘機やKC-135、E-3などを保有し、在日アメリカ空軍の主力部隊となっている。 - 第353特殊戦航空群
空軍特殊作戦軍団に所属し、3つの飛行隊、1つのメンテナンス隊、1つの特殊戦術隊と1つの作戦補助隊の6つの部隊からなる。
MC-130H/Pを保有している。 - 第733航空輸送隊
嘉手納基地の人員と貨物の航空輸送を担当する部隊で、320人以上の要員で構成されている。 - 第82偵察隊
太平洋地域での偵察任務を行う。
アメリカ太平洋軍にとって重要な部隊で、偵察で得られた情報は本国の国防総省や他の政府機関においても活用される。
RC-135U/V/W、WC-135を保有している。 - 第390情報隊
空軍情報局に属し、情報活動や保安活動を行う。
騒音問題
本基地に離発着する軍用機などの飛行コースは、民間人居住地域の上空をまともに通るため、基地近辺の住民は、耐え難い騒音被害に晒されている。
そこで1996年、日米両政府が「航空機騒音規制措置」を合意し、午後10時から午前6時までの飛行、地上活動の制限が定められたが、アメリカ軍の運用上、必要があればこの規定は除外できるようになっているため、具体的な解決にはなっていない。
現在、この爆音の低減を要求する訴訟も提起されている。
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