思いを馳せる
別表記:思いを走らせる
思いを馳せるとは、心を遠くに飛ばす意味を持つ表現である。具体的には、過去の出来事や未来の可能性、遠くの場所や人物に対して心を向ける行為を指す。この表現は、日本語の詩や文学、日常会話などに広く用いられている。 思いを馳せる行為は、人間の想像力や記憶力を活用するもので、具体的な行動を伴わない内面的な行為である。例えば、遠くに住む友人を思い出す、昔の恋人に思いを馳せる、未来の夢を描く、などが該当する。また、この表現は、物語の中でキャラクターが過去の出来事を回想する場面や、未来への期待や不安を描く場面にも用いられる。 思いを馳せるという表現は、人間の心情や感情を表すための重要な手段であり、その使用は人間の思考や感情の豊かさを示すものである。
思いを馳せる
「思いを馳せる」とは、遠く離れている対象について思考を巡らせることを意味する表現。
「思いを馳せる」とは・「思いを馳せる」の意味
「思いを馳せる」は「想いを馳せる」と表す場合もあり、遠く離れている対象についていろいろと想像し思考を巡らせることを意味する。距離に限らず過去や未来といった時間に対しても使用される慣用句である。物理的な距離について用いる際には、「遠く離れた故郷に思いを馳せる」や「留学した彼女へ思いを馳せる」など、思い浮かべるのは場所や人となる。「故人へ思いを馳せる」など、亡くなった人と過ごした時間を懐かしむ表現に使用することも可能だ。過去や未来について用いる際には、「初めて出会った日に思いを馳せる」や「これから始まる大学生活に思いを馳せる」など、すでに起きた物事もしくはこの先に予定されている物事、漠然と想像される物事が対象となる。思いを馳せるを使用することで、「すでに起きて過去となった物事についていろいろと想像し思考を巡らせる」という内容を「過去に思いを馳せる」と短文で表現することが可能である。「思い」を「想い」と表す際にも、同じような意味で使用される。ただし想いは思いに比べ「心に思い浮かべること」「イメージすること」というニュアンスを強く感じさせるため、使い分けることで表現の雰囲気が変わることもある。思いは対象やシチュエーションを限定せず使用できるが、自ら頭の中であれこれと考えたというニュアンスが強い。「思」は幼児の頭蓋骨から発想される「囟(田)」と心臓から発想される「心」から成り立つ。頭で考えたことに心が合わさったイメージ。「想」は「木(事物)」を「見る」ことに由来する「相」と「心」から成り立つ。何かを目で見て心で感じたことというイメージだ。対象に向ける気持ちが恋や憧れである場合、想いを選択する方が意識しなくても頭に浮かんでしまうというような切実さが伝わる場合がある。
「思いを馳せる」の読み方
「思いを馳せる」は、「おもいをはせる」と読む。「思」は音読みで「し」と読まれ、訓読みで「おも」と読まれる。思いは動詞の「思う」が名詞化したもので、未然形の「思わ」に打消しの「ない」をつけて「思わない」、過去・完了・存続の意味がある助動詞「た」をつけて「思った」など、訓読みの場合は思の後に続く音がある。「馳」は音読みで「ち」「じ」と読み、訓読みで「は」と読む。馳せるは動詞で、馳の後に続く音がある。「思いを馳せる」の熟語・言い回し
過去に思いを馳せるとは
「過去に思いを馳せる」とは、すでに過ぎた時間において起きた物事についていろいろと想像し思考を巡らせることを意味する。過去に思いを馳せることで、今はもう会うことのできない故人と共有した時間や、家じまいした実家、閉校した学校などすでにない場所で過ごした時間を懐かしむこともできる。
未来に思いを馳せるとは
「未来に思いを馳せる」とは、この先に予定されている物事やこれから起こる可能性のある物事について、いろいろと想像し思考を巡らせることを意味する。予定されていることに対して計画的にあれこれと考えるというよりも、こうなればいい、こうなるかもしれないと思い浮かべているイメージである。
「思いを馳せる」の使い方・例文
「思いを馳せる」は、物理的な距離のある対象や過去や未来の物事についていろいろと想像し思考を巡らせる様子を表現する際、以下のように使用される。・学生時代に修学旅行で訪れた地に思いを馳せる。
・美しい風景画を見て、訪れたことのない遠い国に思いを馳せる。
・久しぶりに地元が同じ友人と会い、しばらく帰っていない故郷に思いを馳せた。
・先に天国に旅立った夫に思いを馳せる。
・単身赴任で長く会えていない家族に思いを馳せる。
・今は海外で頑張っているであろう彼女に思いを馳せる。
・同窓会の知らせが届き、学生時代に思いを馳せる。
・孫が生まれて、まだ娘が小さかった頃に思いを馳せる。
・退職して時間ができ、昔のことに思いを馳せることが増えた。
・結婚を間近に控えて、これから始まる彼との生活に思いを馳せる。
思いを馳せる
思いをはせる
思いをはせる
- おもいをはせるのページへのリンク