『風土記御用書出』とは? わかりやすく解説

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『風土記御用書出』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 19:03 UTC 版)

奥州七観音」の記事における「『風土記御用書出』」の解説

『長谷寺霊験記』成立から約400年後に記され華足寺縁起では「三迫新長谷寺並びに奥州の六箇寺」の寺名みられる仙台藩安永年間1772年 - 1781年)にまとめた『風土記御用書出』の「華足寺書上」に「田村将軍様奥州七ヶ所観音建立由来之事」として所収される。 桓武天皇時代大武という鬼神伊勢国鈴鹿山まで攻め登り坂上田村丸征夷大将軍を賜って、鬼神退治宣旨を蒙ったため鈴鹿山合戦をしたが、ことのほか打ち負けた田村丸千手観音祈願したところ、たちまち利生顕れて鈴鹿御前対面し鬼神退治秘術伝授され、これを有して合戦すると、鬼神打ち負けて奥州逃げ下り栗原郡身を隠した。そこが今の大嶽観音である。彼らの同類は7ヶ所にいて朝敵となった奥州に勅が下って仙道鬼神退治ご祈祷として大元明王の法をおこなわせ、今は田村明王という。田村丸奥州鬼神退治宣旨重ねて賜って下るときに大和国長谷寺雲井坊の使いが、はなのわれたる芦毛の馬を引いてきた。この馬に乗って奥州へ向かうと2夜3日佐沼着いた鈴鹿御前先にいて、大武は誑かされて毒酒すすめられ酔い臥せ不覚有り体だった。将軍太刀抜いて首をはね、そこに首を埋めて上に観音建立したのが今の大嶽観音である。骸は箟岳埋めてその上に観音建立して守護させた。この鬼神同類は湊の牧山水越長谷、ひるかの小迫、淵の華足寺南部三戸とはつの7ヶ所に居を構えたが、悉く退治されていずれにも観音建立した平城天皇大同元年806年)丙5月壬午の日午の時、同時に棟上げがあったが田村丸は7ヶ所にの棟上げ立ち会った通力早馬がいたためであった。7ヶ所を巡って最後華足寺万成したため、かの馬は死んだ馬頭観世音であった田村丸はかの馬を観音堂の上の山に埋め石経を書かせて塚を築いたその後夜になると光を放ち不思議に思った人々が掘ると、馬は金色馬頭明王として顕れ、石の箱をしたため鬼門方に埋め置いた奥州名馬はかの馬の残骨で、馬頭明王は馬の総鎮守である。(後略) — 『風土記御用書出』「田村将軍様奥州七ヶ所観音建立由来之事」より大意田村将軍様奥州七ヶ所観音建立由来之事」は慶長17年1612年)頃、華足寺滞留していた旅の僧が、地元古老2人から聞いたという縁起で、荒唐無稽な物語考えていたが、のちに長谷寺参拝したときに『長谷寺霊験記』読んだところ、華足寺縁起酷似していたため、寛永17年1640年5月11日郡奉行所に申し上げるよう淵村肝煎人々武蔵国中野宝仙寺から出した文書である。『長谷寺霊験記』では東夷常陸国まで攻めてくるのに対し華足寺縁起では鬼神鈴鹿山攻め上がるとある。他にも坂上田村丸鈴鹿御前など御伽草子登場人物置き換えられているなど、基本的構造『長谷寺霊験記』残しつつ、御伽草子など後代作品と交流したことで、新らたな物語挿入改変がされている。 また「田村将軍様奥州七ヶ所観音建立由来之事」では「三迫大嶽観音涌谷箟嶽観音、湊牧山観音水越観音小迫観音華足寺馬頭観音南部三戸長谷」と具体的に寺名記される『長谷寺霊験記』創出され時代奥州藤原氏絶頂期迎えた時期に当たるため、華足寺縁起登場する寺院当時から実在していたと考えられる

※この「『風土記御用書出』」の解説は、「奥州七観音」の解説の一部です。
「『風土記御用書出』」を含む「奥州七観音」の記事については、「奥州七観音」の概要を参照ください。

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