『論理哲学論考』以後のウィトゲンシュタインとその周辺とは? わかりやすく解説

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『論理哲学論考』以後のウィトゲンシュタインとその周辺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 20:04 UTC 版)

言語哲学」の記事における「『論理哲学論考』以後のウィトゲンシュタインとその周辺」の解説

第2の流れは『論理哲学論考以後ウィトゲンシュタイン自身の哲学変遷である。この展開は漸移的かつ多彩であるので詳細ははぶくが、彼は『哲学的探求 ("Philosophische Untersuchungen")』において、「規則行為決定できない」という規則パラドックス (rule following paradox) の帰結としての根元的規約主義 (radical conventionalism)、言語の使用タイプ多様性、及び言語その意味を生活上の機能からくみ上げていること、等へ注目する。この観点から哲学諸問題については、哲学問題が陥っている言語日常的使用からの乖離批判しそれ等の語の日常的使用注目することにより、解答与えるのではなく擬似問題であるとして解消することこそ、正し対処法である、と考えた。その一方で単なる規約主義ではなく人間自然誌(Naturgechichte)的・文化的生活形式、Lebensform)要素言語機能との関係に、注目していった。 この方向性は、言語哲学越えて心の哲学(『心理哲学に就いて考察』"Bemerkungen über die Philosophie der Psychologie")と数学の哲学(『数学基礎に就いて考察』"Bemerkungen über die Grundlagen der Mathematik")とにウィトゲンシュタイン独自の理解提示することになる。更に死の直前残したノート(『確実性について』Über Gewissheit)からは言語基礎クワインラカトシュのいう理論中心部概ね相当する)についての考察見出される(いまだ学界で十分に消化されとはいえないテクストである)。 ただし、この時期ウィトゲンシュタインは、そのテクスト難解なこと、体系的議論形式化され得ないので多量問題形成解決更なる問題の発生という学問グループ内の巨大化困難なこと、彼自身彼の弟子たち(ノーマン・マルカム(Norman Marcolm 米→英→米。主著 "Dream")、ピーター・ウィンチPeter Winch 英→米。主著倫理行為("Ethics and Action")』勁草書房)、ラッシュ・リース(Rush Rhees 英。主著"Without Answers")、エリザベス・アンスコム(Gertlud Elizabeth Margaret Anscombe 英。主著インテンション("Intention")』)等が多分に秘教的なサークル作りその中でジャーゴン応酬彼の著書の訓固に急がせたことなどから、分析哲学の中では孤立立場にある。 また、この時期ウィトゲンシュタイン業績は、そもそも言語分析するものではないことから、文法 (Grammatik)、および使用(Gebrauch)の「展望哲学 (Philosophie der Übersehen)」と呼ばれるべきだ、という主張もある。日常言語重きをおいたことから、後期ウィトゲンシュタインオースティンは共に日常言語学派分類されたこともあるが、オースティン体系的哲学化を志向したのに対し後期ウィトゲンシュタイン哲学問題解消図ったであってその哲学についての態度大きく異なる。

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