(It's All Down to) Goodnight Viennaとは? わかりやすく解説

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グッドナイト・ウィーン (曲)

((It's All Down to) Goodnight Vienna から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/01 07:39 UTC 版)

グッドナイト・ウィーン
リンゴ・スターシングル
初出アルバム『グッドナイト・ウィーン
B面
  • ウー・ウィー
  • ノー・ノー・ソング
リリース
録音 1974年8月:サンセット・サウンド・レコーダーズ
ジャンル ロック
時間
レーベル アップル・レコード
作詞・作曲 ジョン・レノン
プロデュース リチャード・ペリー
チャート最高順位
  • 31位(アメリカ)
  • 13位(カナダ)
リンゴ・スター シングル 年表
  • グッドナイト・ウィーン
  • (1975年 (1975)
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グッドナイト・ウィーン」(英語: It's All Down To Goodnight Vienna )は、1975年にシングルとして発売されたリンゴ・スターの楽曲である。

解説

この曲は1974年、新しいアルバムのレコーディングに際してスターから楽曲の提供を依頼されたジョン・レノンが書き下ろしたものである[1]。アルバム『心の壁、愛の橋』のレコーディングの準備を進めていたレノンは、セッション・ミュージシャンとデモを録音してスターのもとに届けた[2]

歌詞はロサンゼルスのナイトクラブでの一件[注釈 1]をもとにしたもので、レノンらしく俗語を巧みに用いながら二重の意味を持たせている[注釈 2]

題名は「逃げ出す羽目になってしまった」という意味である。「Goodnight Vienna」は「ずらかるぞ (I'm getting out of here.)」という意味の俗語で、スターやレノンの故郷リバプールなどイングランド北方で使われている[1]。元々イギリスでは、現在行っていることを継続しても困難が回避できないことが判明している状況での「もうおしまいだ (It's all over.)」という意味でよく使われている[4]。転じて、その場にいることが無駄もしくは危険だから「ここから立ち去るぞ」という意味で使われている。「Goodnight Vienna」というフレーズは、1932年にエリック・マシュヴィッツが書いたラジオ・オペレッタのタイトルとして登場し、後に同名のミュージカル映画が作られた。しかし、これが現在使われている「全て終わった」という意味の表現となった理由は定かではない[4]

なお、邦題の「ウィーン」は元々ドイツ語の「Wien」をローマ字式に読んだ、実際の発音とは異なった、日本でのみ使われているカタカナ言葉である[注釈 3]

アルバムでは、オープニングを飾るヴァージョンとエンディングを締めくくるリプライズ・ヴァージョンの2テイクが収録されているが、シングル・ヴァージョンはこの2つを繋ぎ合わせたものである。2007年に発売された『フォトグラフ:ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・リンゴ・スター』には、このシングル・ヴァージョンが収録されている。

アメリカでは1975年6月にアルバムからの3枚目のシングルとしてリリースされ、「ビルボード」誌では、7月12日から2週連続最高位31位を獲得している[5]

参加ミュージシャン

チャート

週間チャート

チャート (1975) 順位
position
アメリカ Billboard Hot 100[7] 31
カナダ Canadian RPM Top Singles[8] 13

脚注

注釈

  1. ^ 1974年3月、毎晩のように飲み歩いていたレノンはハリウッドのナイトクラブ、トルバドールで2度にわたってトラブルを引き起こした。1度目は当時お気に入りのレコードの1つであった「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」をリリースしたアン・ピーブルスのコンサートで、額に生理ナプキンを付けて歩き回り、ウェイトレスに詰られた。2度目はその2週間後、レノンとニルソンがスマザーズ・ブラザーズを野次った後、前回とは違うウェイトレスと乱闘し、クラブから叩き出された[3]
  2. ^ 例えば「I was back into school.」はそのままの意味では「私は学校に戻った。」だが、実際の意味は「俺は飲み仲間のところに帰った。」となる。またボヘミア、ハンガリー系の移民に対する蔑称である「ボフンク(bohunk)」という言葉が出てくるが、これは「粗暴で野卑な人」という意味で使っている。
  3. ^ ドイツ語では「ヴィーン」、英語・イタリア語では「ヴィエンナ」と発音する。
  4. ^ アメリカのトランペット奏者、ソングライター、プロデューサー、スティーヴィーワンダーのトランペット奏者として最もよく知られている[6]

出典

  1. ^ a b NME 2005, p. 91.
  2. ^ Harry 2004, p. 120.
  3. ^ A Day in the Life : Photographing John Lennon During His Lost Weekend”. zimberoff.medium.com (2019年1月18日). 2022年3月31日閲覧。
  4. ^ a b The Phrase Finder:Goodnight Vienna”. Phrases.org.uk. 2022年12月21日閲覧。
  5. ^ “Ringo Starr Chart History: Billboard Hot 100”. Billboard. https://www.billboard.com/artist/ringo-starr/chart-history/tlp/ 2022年12月26日閲覧。. 
  6. ^ Steve Madaio”. Discogs. 2022年12月28日閲覧。
  7. ^ Whitburn, Joel (2013). Joel Whitburn's Top Pop Singles, 14th Edition: 1955-2012. Record Research. p. 800 
  8. ^ Top Singles - Volume 23, No. 24, August 09 1975. http://www.collectionscanada.gc.ca/rpm/028020-119.01-e.php?&file_num=nlc008388.4011a&type=1&interval=20&PHPSESSID=09sqiostrkur19v6n35gp17is5 2022年12月26日閲覧。 

参考文献

  • Kent, David (1993). Australian Chart Book 1970-1992. St Ives, N.S.W.: Australian Chart Book. ISBN 0-646-11917-6 
  • Badman, Keith (2001). The Beatles Diary Volume 2: After the Break-Up 1970-2001. Omnibus Press. ISBN 978-0-711-98307-6 
  • Whitburn, Joel (2002). Top Adult Contemporary: 1961-2001. Record Research 
  • Harry, Bill (2004). The Ringo Starr Encyclopedia. London: Virgin Books. ISBN 978-0-7535-0843-5 
  • Blaney, John (2005). John Lennon: Listen to This Book (illustrated ed.). Paper Jukebox. ISBN 978-0-9544528-1-0 
  • “A Space Odyssey”. NME. NME Originals 2 (3). (2005). 
  • Rodriguez, Robert (2010). Fab Four FAQ 2.0: The Beatles' Solo Years, 1970–1980 (illustrated ed.). New York: Backbeat Books. ISBN 978-0-87930-968-8 

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