阪神百貨店
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 21:55 UTC 版)
直営店舗
梅田本店・尼崎・西宮・御影の4店であるが、フルラインの百貨店としての機能を有するのは、梅田本店のみである。
梅田本店
阪神百貨店梅田本店 HANSHIN UMEDA | |
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改築後の阪神百貨店梅田本店の様子 | |
店舗概要 | |
所在地 | 大阪府大阪市北区梅田1丁目13-13 |
座標 | 北緯34度42分4.1秒 東経135度29分51.8秒 / 北緯34.701139度 東経135.497722度 |
開業日 | 1940年(昭和15年)5月26日(阪神マートの現在地での開業) |
施設所有者 | 阪神電気鉄道 |
商業施設面積 | 53,000 m² |
前身 | 阪神マート |
最寄駅 | 阪神電気鉄道阪神本線大阪梅田駅直結 |
HANSHIN |
阪神百貨店の4店舗のうち、売上の約90%を稼ぎ出す圧倒的な主力店舗である。大阪ステーションシティなどの開業に伴う競合激化で売上高は2011年(平成23年)3月期の約960.45億円[54]から2012年(平成24年)3月期は約923.5億円[2]に減少したものの、2010年(平成22年)3月期の約921.85億円[20]を上回り、エイチ・ツー・オー リテイリング全体でも阪急百貨店うめだ本店に次ぐ売上と売場面積[2]であった。
2018年6月1日に大阪梅田ツインタワーズ・サウス(I期棟)にて新装開業し、売り場面積を約2割減らして営業を開始している[55][56]。また地下1階売り場の一部は大阪市道南北線の下にあり、地下2階が阪神電気鉄道大阪梅田駅になっている。
大阪梅田ツインタワーズ・サウス(Ⅱ期棟)の完成に伴い、2021年10月8日に先行オープン。2022年4月6日にはII期棟の完成に伴いグランドオープン。
阪急うめだ本店とは異なり、「梅田」は漢字表記される。
アクセス
阪神電車大阪梅田駅の直上にあり、改札口から地下1階と直結している。また、地下鉄西梅田駅、梅田駅にもほぼ隣接しており、東梅田駅からもそう遠くない。大阪駅中央南口からは道路の真向かい側に店舗があるため、歩道橋を渡って行くことも可能である。
逆に、阪急電車大阪梅田駅からは歩道橋が少ないため移動距離が長くなるものの、地下街を経由するルートの方が案内板などがあるので分かりやすい。
車の場合は、駅前第2ビルなどの駐車場を利用することになる。
売場の特徴
音楽・音声外部リンク | |
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CMソングの試聴 | |
【いずみたく作曲】グリーンのクローバー 阪神百貨店CM フルバージョン - YouTube(株式会社オールスタッフ) |
梅田本店は、コマーシャル・ソング「グリーンのクローバー」(1962年制作。作詞:野坂昭如、作曲:いずみたく)が流れていた頃は、「おおさか・うめだ・いちばんち(大阪市北区梅田一番地)」に所在していたが、当該地区の住居表示実施に伴い梅田一丁目13番13号となり、歌入りのバージョンはCMでは使われなくなくなり、歌を省略したインスト版に差し替えられた。2006年(平成18年)現在でも不動産登記上の地番は1番地であるので、土地としては大阪市北区梅田一丁目1番地の地番の土地上に建っている。
地下食料品売り場(デパ地下)は充実しており、梅田本店の売り上げの半数近くを占め、「食の阪神」と評される。2015年から行われた建て替えの際に対しても、食の強化を目指しており、新店舗では売上の6割を食品販売と飲食で獲得する目標が立てられた。このことから梅田界隈では『高級派の阪急百貨店』『庶民派の阪神百貨店』に二分されている。ファッションに強みを持ち高級路線の阪急百貨店との違いを打ち出すことで同じグループの隣接する店舗同士の棲み分けが図られている[57]。 ちなみに、阪神百貨店で有名な鮮魚コーナーと「さかな屋の寿司」コーナーを経営している会社は、株式会社阪神髭定である。
旧店舗時代の2011年に、30-40歳代の女性向けのブランドを新規導入するなど衣料・雑貨売場の改装を行い、OL向けの売上確保や新たな顧客層の開拓も目指している[58]。
かつては5階に、百貨店としては珍しい高級オーディオ専門コーナー「オーディオファイル」が設けられていたが、2009年(平成21年)3月3日に閉鎖された。6階には松下電器(現在のパナソニック)のショールーム「アクセス」(後の「梅田阪神ナショナルショウルーム」)が1テナントとして構えていた時期もあり、MBSラジオの土曜深夜番組『ハローナショナルショールーム』や『文珍のアクセス塾』の公開録音が行われていたが、2000年9月14日に閉館された[59]。
建て替え後の店内は株式会社セントカンパニーのフレグランスディレクターが手掛けた香りが漂っている。2022年6月11日に歌手の近藤夏子がこの香りについて知りたいとツイートしたところ、7月13日には自身のレギュラー番組『ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です』(朝日放送ラジオ)に先述のフレグランスディレクターがサプライズ出演。年内の商品化へと動きだし[60]、12月にルームディフューザーとして販売されることになった[61]。
- スナックパークとフードテリア
梅田本店地下1階の「スナックパーク」は、1957年の百貨店開店当時、「おやつセンター」としてスタート。
開店当時から続く有名ないか焼き[62]をはじめ、ちょぼ焼き(たこ焼きの元祖といわれている)、野菜焼(キャベツ焼き)、えきそば(姫路駅名物の黄そば)、カレーライス、寿司、麺類などを販売している。
早い・安い・旨いをコンセプトにしたフードコートで、立ち食い席とセルフサービスがスナックパークの特徴であり、着席とテーブルサービスが特徴のレストラン街とは開店当初から棲み分けが図られている。新装開店した現在でも根強い人気がある。
梅田本店の建て替え工事に伴い、2015年(平成27年)2月17日にスナックパークは一旦営業を終了したが、いか焼きなど一部店舗は食料品売り場内へ移転し、持ち帰り専門店として営業を継続していた。
2018年(平成30年)6月1日の大阪梅田ツインタワーズ・サウス(I期棟)開業に伴い、スナックパークは新阪急ビルがあった場所の地下1階にて復活した。
他に地下2階の阪神梅田駅コンコース脇には、各種飲食店が並ぶ「フードテリア」(PiTaPa・iDが利用可能)もあった。梅田本店の建て替え工事に伴い、2014年(平成26年)3月31日にフードテリアが営業を終了した。
- 阪神タイガースショップ
梅田本店8階には阪神タイガースショップがあり、阪神タイガース公認のグッズ等が販売されている。
年始には選手直筆サイン入りグッズが入ったタイガース福袋を販売している。新店舗でも阪神タイガースショップは設けられてはいるが、店舗面積は旧店舗と比べて縮小されている。
- ふるさと名産コーナー
かつて梅田本店の地下通路では、全国各地の名産販売店が集まる「ふるさと名産」が営業していた。実際には現地を訪れていなくても、現地の土産を買うことが出来たことから「アリバイ横丁」の愛称があった。
戦後の混乱状況を変えるため、1951年に「全国銘菓名物街」としてオープンしたが、従業員の高齢化などで閉店が相次いだほか、梅田本店の建替えによる地下通路拡幅工事に伴い2014年3月29日に全て閉店。63年の歴史に幕を閉じた[63][64]。
- 円形ホール
梅田阪神ビルディング(後の大阪神ビルの東側部分)の完成当初から存在していた円形の施設で1階と2階にあり、大理石の壁や床にはアンモナイトなどの化石が存在していた。
円形ホールの1階と2階には梅田本店の入り口やテナント店舗があり、1階と2階は階段(後にエスカレーターが設置された)で行き来する。歩道橋が設置された1964年(昭和39年)以降は直接2階から円形ホールに入ることも可能になった。
1階の中央階段を降りると地下1階に阪神電車大阪梅田駅の改札口と梅田本店地下1階入り口があり、入り口にはスナックパークが存在していた。2015年(平成27年)2月17日をもって大阪神ビル東側部分は閉鎖され、梅田本店の建替えにより、円形ホールは取り壊された。
- 屋上遊園地と屋上庭園
旧店舗では、以前からの屋上遊園地が存在していた[65]ほか、建築家の安藤忠雄などが参画[65]して2006年(平成18年)4月に造られた枝垂れ桜・シマトネリコ・オリーブ・ユーカリなど50種類以上を植えた約1,500m2の屋上庭園[66]があった。
夏季には屋外テレビで阪神戦を中継も行われるビアガーデンが開かれ、阪神タイガースファンが集まることでも知られていた[65]。
屋上遊園地は9階と12階の2ヶ所に分かれており、直接行き来するには東側部分に存在していた「らせん状階段」を使う必要があった。
建て替え工事の準備のため、12階部分については2014年2月に閉鎖され、残る9階部分も2015年には閉鎖された。
ライバル関係
御堂筋を挟んだ向かい側の阪急百貨店うめだ本店は、食料品・衣料品の両面において最大の競争相手であったが、2007年(平成19年)10月1日には持株会社「エイチ・ツー・オー リテイリング」のもとで経営統合し、さらに翌年2008年(平成20年)10月に運営会社が合併し、「阪急阪神百貨店」が発足してからは、兄弟店舗の関係にもなっている。
経営統合・合併以降は、共存共栄できるように、相互の戦略的差別化の一方、相互の協力関係が必須になると考えられ、2007年(平成19年)4月1日には経営統合に先行し、お互いが発行したカードで相手の百貨店での使用の際も優待を行うようになったほか、2009年(平成21年)8月の改装では建て替え工事に伴って売り場面積が縮小する阪急百貨店梅田本店から婦人服の一部売場を移し、ヤング向けの品ぞろえを拡充させて補完しあい[67]、2011年(平成23年)5月11日からは初めて阪急百貨店梅田本店との大規模な共同催事「初夏の阪急・阪神大食品祭」を開催するなど協力を深めている[68]。
同店周辺においては、北側のJR大阪駅ビル(大阪ステーションシティ・サウスゲートビルディング)内の大丸梅田店が、2011年(平成23年)4月19日に増床リニューアルオープンしたことで、店舗面積では大丸の後塵を拝することになった。また同じ2011年(平成23年)5月4日には、JR大阪駅北口のノースゲートビルディングに、JR西日本グループと三越伊勢丹ホールディングスの合弁となる、「JR大阪三越伊勢丹」が開業したが、競合店の多い梅田で同店は不振続きとなり、2015年にはファッションビルの「ルクア1100」に衣替えする結果に終わっている。
ハービスOSAKAや、阪急・阪神経営統合を機に同じグループとなったHEPファイブ・HEPナビオ(阪急メンズ大阪)などの高級衣料品・ブランド店の入居する各ショッピングセンターは、競争相手というより、百貨店を補完する存在である。これら商業施設は百貨店とともに、Sポイントサービルも利用できる。また、家電量販店のヨドバシカメラマルチメディア梅田については、商品面での競合は少なく、梅田への集客手段のひとつとして捉えている[69]。
にしのみや店
阪神百貨店にしのみや店 HANSHIN NISHINOMIYA | |
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店舗概要 | |
所在地 |
〒662-0973 兵庫県西宮市田中町1-6 |
座標 | 北緯34度44分13.1秒 東経135度20分12.9秒 / 北緯34.736972度 東経135.336917度 |
開業日 | 2003年(平成15年)3月18日 |
施設所有者 | 阪神電気鉄道 |
商業施設面積 | 4,998 m²[51] |
最寄駅 | 阪神電気鉄道本線西宮駅直結 |
HANSHIN |
阪神電気鉄道が西宮駅高架下に2003年(平成15年)3月18日に駅直結で開業したエビスタ西宮[12]内に売場面積4,998m2[2]で開業。
店内で作る「できたて総菜」や和洋菓子など阪神百貨店が得意とする食品売場いわゆるデパ地下を強みとし[70]、阪神・淡路大震災で従来あった総合スーパーや市場が潰れて大型店の競合が少ない地域性[70]をバックに順調に売上を伸ばし、初年度に目標を上回る年間売上約57億円を達成した[16]が、2008年(平成20年)3月期は約52.54億円[71]、2009年(平成21年)3月期は約50.25億円[17]、2010年(平成22年)3月期は約47.36億円[20]、2011年(平成23年)3月期は約46.60億円[54]、2012年(平成24年)3月期は約45.79億円[2]と売上が減少が続いているが、阪神百貨店の支店の中ではトップの売上を維持している。
あまがさき阪神
あまがさき阪神 AMAGASAKI HANSHIN | |
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店舗概要 | |
所在地 |
〒661-0976 兵庫県尼崎市潮江1丁目3番1号 |
座標 | 北緯34度44分0.8秒 東経135度25分50.5秒 / 北緯34.733556度 東経135.430694度 |
開業日 | 2009年(平成21年)10月20日 |
施設所有者 | 東急不動産[74] |
商業施設面積 | 2,855 m²[51] |
前身 | キリンビール尼崎(神崎[72])工場[73] |
最寄駅 | JR尼崎駅[73] |
HANSHIN |
JR尼崎駅前の麒麟麦酒工場の跡地に建設された「あまがさきキューズモール」[75]の核テナントとして[73]、2009年(平成21年)10月14日にプレオープンし[76]、10月20日に「“おいしいフードマルシェ”と“キッズママのおしゃれカジュアルストア”」というコンセプトを掲げて正式に開業した[77]。
梅田本店から近いため周辺5キロの小商圏と見込み[78]、若いファミリー層が多い地域性を考慮して子育て中の母親世代と子どもをターゲットとしている[15]。
リーマンショック後の景気低迷下での開業となったため、既存店より低価格商品を拡充した商品構成とし[78]、売上の70%を稼ぐことを目標とした1階の食品売場[78]は梅田本店の食品売場の強さを生かし[79]つつ、105円均一パン店や500円以下の弁当など低価格商品も拡充し[78]、2階も2000円前後の子ども衣料など低価格商品もそろえた衣料品売場を設けながらも、売場からガラス越しに授業風景を見ることが出来る子どもに人気のダンススタジオやダンスファッション売場や阪神タイガースショップ、子供向けメニューの充実したカフェなどを導入して[78]、カジュアルだがお洒落で楽しい売場作りを目指した。
しかし、2011年(平成23年)3月期で年間売上約36.33億円[54]と初年度の売上高目標40億円[77]を下回ったため、婦人服売り場の拡張などのてこ入れを行い[80]、2012年(平成24年)3月期には年間売上約37.27億円[80][2]と少し伸ばした。
それでもなお、梅田本店との近接から苦戦が続き、2016年(平成28年)1月11日をもって2階売場の営業を終了[50] 。跡地はキューズモールの専門店ゾーンとなった[81]。
阪神とはいえ、阪神尼崎駅前ではないので注意が必要である。
御影店
阪神・御影[14] HANSHIN Mikage | |
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店舗概要 | |
所在地 | 兵庫県神戸市東灘区御影中町3丁目2-1 |
座標 | 北緯34度42分56.1秒 東経135度15分18.5秒 / 北緯34.715583度 東経135.255139度 |
開業日 | 2008年(平成20年)3月20日[14] |
施設所有者 | 特定目的会社阪神御影インベストメント[14] |
施設管理者 | 住商アーバン開発株式会社 |
敷地面積 | 11,000 m² |
延床面積 | 41,000 m² |
商業施設面積 | 804 m²[51] |
店舗数 | 約70店 |
最寄駅 | 阪神電鉄御影駅[18] |
HANSHIN |
神戸市立御影工業高校跡地に建設された商業施設「御影クラッセ」の核店舗として1・2F部分に2008年(平成20年)3月20日に売場面積5,900m2で開店した[14]。
地元の人が「毎日通える百貨店」をコンセプトに団塊世代の主婦を主なターゲット[18]としてがんこフードサービスの新業態1号店を含む総菜[82]、菓子、生鮮食品などの揃う[18]梅田本店と同様のいわゆるデパ地下形式[19]の食品売場を1階に置き、食品に強い阪神百貨店らしさをアピールし[82]、2階は婦人服や生活雑貨を中心とした売場構成[18]として開業したが、肝心の食品売場の不振が深刻で2009年(平成21年)3月期で年間売上約29.56億円[17]と目標の50億円を大きく下回ったため、開業から1年半弱の2009年(平成21年)8月5日に不振だった食品売り場の75%にあたる2,080m2を兄弟会社の食品スーパー阪急オアシスの経営に切替えて縮小する[19]大規模なてこ入れが早くも行われることになった。
しかし、2010年(平成22年)3月期は約17.88億円[20]、2011年(平成23年)3月期は約13.53億円[54]と低迷して赤字が続いたため、2011年(平成23年)7月24日には阪神・御影の2階売場を閉鎖して2度目の規模縮小を行って売場面積804m2[2]となって百貨店とはいえない規模にまで縮小し、「御影クラッセ」の核店舗でなくなった。
こうした売場縮小の影響もあり、2016年(平成28年)3月期の年間売上は約5.59億円[51]となっている。
注釈
出典
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