否定的な見解とは? わかりやすく解説

否定的な見解

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 14:50 UTC 版)

東京電力の原子力発電」の記事における「否定的な見解」の解説

共同通信記者西山明は請負業者側にも取材し1978年に『技術と人間』で記事発表当時の状況下で下記問題点指摘した。なお西によれば同時期、NHKも『被曝管理』という特集番組制作し問題提起をしているという。 1977年3月5日発生した墜落災害に関して富岡労基署転落防止措置不十分だったとして転落した者が所属していた下請会社労働安全衛生法違反疑い書類送検したが、送検6月のことで労基署は「下請け元請の関係が入り組み責任の所在がつかめず捜査時間かかった」とし、元請日電工業IHI東芝東京電力責任は問わなかった。なお作業員全員が「手すり無かったこと」「救出時間要したこと」を認めている。なお昭和41年から第一原発建設工事始まりこれまで車の運搬中の労災事故11死亡しているが、補修現場で労働災害事故死は、初めてで、同署書類送検したのも初めてだった。なお西山が取材したところ、保修作業で現場足場を組む際「これだけ足場にいくらかかるからと元請請求して応じてくれない。だから下請簡単な足場作業をしてしまう」場合があり、墜落災害遠因となっているとしている。 西山取材した下請け会社親方Aによると、労基署現場視察は3ヶ月1回程度だが、事前に情報漏れてくるのが通例で、その際事前に不備な点を直すように元請から指導が入る。当日自分たちの現場巡回する時間は大体分かるため、その際には元請より作業中止し休憩に入るように指導されるという。 放射線管理区域内の汚染区域」(C区域)「監視区域」(B区域)の補修現場監察官臨検定期的な監督があるか西山尋ねたところ、親方Aは、「昭和46年以来、そんな所1度だって無かったな。あれはば上の態度普段と違うからわかるはずだが」と答えている。親方Aは、「実際に働いてみないと中の息苦しさ分からない」例として安全上必要な装備について足袋をはいて外でのびのびやっていたトビ職には長ぐつピタっとせず足元が不安定動き鈍くなる」と述べた安衛法22条では事業者放射性障害対策措置25条で環境改善義務明記しているが、労基署チェック体制は「数字読み取り」と「東電への信用」で、実況検分無しデスクワークであると西山結論付けた西山労基署意見として、「各事業者定期的に協議会開いて安全衛生管理力を入れており、他の分野較べれば多く時間を割いて教育していること」、「管理については、1年1回東電元請から作業員被ばく線量記録提出させ、点検していること」「放射線障害防止法基づいて年間5レムおさまっていること」「わずか三人監督官じゃどうしようもない東電管理システム信用している。だからといって手抜きはしていない紹介しているが、西山は「建前つくろったザル法しかない」と結論付けた。ただし、1972年3月6日付基発第105号の労働省労働基準局長通達「企業における自主的安全衛生管理活動促進のための監督指導について」の冒頭において、「安全衛生対策基本は、技術の進歩生産態様変化などに対応して、各企業において自主的な安全衛生管理活動推進されることにある」と述べており、1972年6月9日英国提出されたローベンス報告考え方基本としている。つまり、「法規による強制よりは、事業者による自主的活動重点を置くことが適切である」(この考え方理由として、実際に発生している労働災害見ても、法規違反原因であるものは少ないという。したがって労働災害防止するためには、法規に頼ることよりも、労働者参加得て事業者自主的に安全衛生活動進めることが効果がある」ということである。例としては、「5S活動」)とのことになる。 なお、西山明の「福島原発下請け親方被曝証言--私ら原発イワシだ」記事p93において、作業員が「アラームメーターしょっちゅう鳴っていた。二十-三十分で交代する仕事だったが、自分は年をくっていたから若い者には負けられないと、メーターをわざと壊して働く時間長くした」と自身行為述べた記述がある。(労衛法第4条において、労働者事業者等の労働災害防止協力義務があるにもかかわらずである事業者定めた労働災害防止措置労働者自身協力していなかった。事業者のみ労働災害防止措置を行うだけでなく、労働者自発的に参加しなければ労働災害防止することは不可能であり、ローベンス報告指摘は、的を射ている。 1977年6月福島第一原発一号炉に立ち入り調査した福島県生活環境職員によると、「炉内給ノズルひび割れ保修の現場にははしごで降りた故障箇所周辺は鉛で防護され、防護マスクをつけた作業員2人働いていた。私達の額には熱くてダラダラ汗が出て空気よくなかった。またパイプ取り替える場所は狭く作業進展遅くみえた。被ばく線量避けるため定期点検時間がかかるのが理解できた。」とし、定検スピードアップのため以降プラントでは格納容器拡大を図る旨の報告受けたことも述べられている。その後福島第二原子力発電所2号機よりMarkII改良標準型採用された。 また2011年3月11日事故以降福島第一原子力発電所では上記厳密な線量管理汚染源遮蔽策は全て水泡に帰し構内全域放射線管理区域同等扱いとなる「管理対象区域」とされ、周囲20kmは強制的に立ち入り禁止とされた。その後除染進め2012年4月末に、同所構内一部建物について管理区域とした。 また、上記の他にも事故前から被曝などのトラブル隠ぺいなどが、批判的なジャーナリストなどにより指摘されている(「事故・トラブルへの対処」節内各記事参照)。

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否定的な見解

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東京電力の原子力発電」の記事における「否定的な見解」の解説

西山明の取材によると、岩本忠夫県議時代安全衛生関連質疑何回か行った際、知事木村答弁する県の幹部はすべて回答はぐらかしたとし、「歯がゆくて仕方無かった」「具体的な証言をもとに質問するニュースソース明らかになり、処分される危険もあり配慮せざるを得なかった」「県は東電資料公開を迫る姿勢始めから放棄していた」とコメントしている。 西山明によると、科学技術庁原子力安全課1978年当時福島第一原子力発電所放射線管理手帳個人携帯しているのは三菱日立東芝ビル代行とその下請のみで、それ以外各社に応じて管理となっており、元請持ったまま日々被曝量一方的に場合によっては改ざんして)記録するような事例横行していたという。 安衛法発注者離職後の健康診断等を義務付けしているが西山明は遵守しているケースほとんどないとしている。また労基署は「県知事許可の無いモグリ業者絶対にいない」と断言したが、西山取材答えたある業者5分の1モグリ1977年3から6月3号機を保修した際には山谷、愛釜から200名程が集められており「彼らについては下請履歴書偽造し働かせてたようだ身なりで大体分かった」と述べている。 江信はCRD交換作業について引き抜きの際圧力容器の底に溜まった比放射能の高い鉄サビ混じり炉水流れ出し作業者が頭から炉水を被るため、全面マスクとビニールスーツはそれらから身を守るためにも与えられているとしている。 福島第二原子力発電所設置許可取消訴訟参考供するため、同訴訟提訴した大学一をはじめとする弁護団は、福島第一原子力発電所下請け労働者対象独自に実態調査実施したことがある調査には29名が応じ次のような証言得た、としている。 ポケット線量計アラームメーターの値がばらつくことがあり、どちらを信用していいか不安になることがある 着替えアラームメーター紛失した際に、ひもだけつけて監督の目を誤魔化し作業した時間足りない時にはアラームメーター鳴って作業続行し元請放射線管理者見て見ぬふりをする 元請でも線量管理目標(週300レム)を設定しているが、雇用問題絡んでいる時はそれをオーバーしていても入場することもある 夏のある日廃棄物建屋付近作業した際、暑かったので裸で作業したが、現場監督黙認した見回りに来る東電保安係は叱責した。 東電から検査が来るときは前もって通知されるので、危険な作業をしない 全面マスク息苦しく線量限度以下でも作業続行した者の中には酸欠になった者がいるが、元請東電叱責恐れて労災申請はしない風土出来ており、入院した者にその間日当払い続けてもみ消し調査結果報じた朝日新聞取材に対して鈴木範夫(当時東京電力原子力管理部長)は「パトロール行い遵守事項チェックしている。従ってアラームメーター無視して仕事したり、裸で作業したりすることは全く考えられないことだ」などと調査結果全面的に否定した恩田勝亘1986年平井憲夫から取材したところによれば、線量計アラーム身に付け作業をしていても、規則通り作業していたら全くはかどらないため、現場で実際線量計外した状態で汚染度の高い区域入室したり、警報鳴って無視して作業常態化していたという。 資源エネルギー庁では発電所で働く者の被曝データ毎年公表していたが、1980年前後データでは初期に運転を開始したBWRで特に被曝量高くなる傾向にあり、年間1.52.5レム当時被曝上限年間5レム)に多く作業員集中していた。これは一次冷却水タービン建屋まで循環する構造採用したBWR欠点であった東京電力企画部副部長宅間正夫当時)は、平均被曝線量増加した理由として、応力腐食割れ代表される初期不良のための修理対策工事増加したことを挙げている。 また石丸小四郎が代表を務める「双葉地方反対同盟」は1999年には同団体助力により40代ベテラン溶接工病死について、計74.9mSvの被曝によるとして、労災申請初め行われたまた、石丸によれば1998年度でも東京電力正社員被曝量年間0.8mSvに対して協力企業は2.6mSvと3倍の開きがあり、格差問題依然として残っているという。

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