【被曝】(ひばく)
さらされること。
広義には、化学物質にさらされることも「被曝」と呼ぶが、現代では生物が放射線にさらされる事を意味する場合が多い。
原子炉事故や放射性物質の取り扱い事故によるものから、自然界の放射線によるものまで、様々な原因が存在する。
程度や部位、短期か長期か等の条件にもよるが、被曝量が多い場合は深刻な健康被害を被り、あるいは死に至る場合もある。
「曝」は常用漢字ではないため、報道関係では「被ばく」と表記されることも多い。
核兵器の爆発による被曝は、特に「被爆」と書いて区別する場合がある。
放射線被曝と健康被害
放射性物質から生じる放射線の被曝と健康への危険性との関連については、おおむね以下の通りとされている。
健康被害の因果関係については放射線の項も参照のこと。
被曝量 (単位:ミリシーベルト) | 内訳 |
0.05 | 原子力発電所の事業所境界における1年間の被曝量。 |
0.1~0.3 | 胸部X線撮影1回分の被曝量。 |
1 | 一般の人の1年間における人工放射線の許容被曝量。 放射線業務に従事する妊娠中の女子における、妊娠を知った時から出産までの許容被曝量。 |
2 | 放射線業務に従事する妊娠中の女子における、妊娠を知った時から出産までの(腹部表面の)許容被曝量。 |
2.4 | 1年間に自然環境から受ける放射線量の世界平均。 |
4 | 胃のX線撮影1回分の被曝量。 |
5 | 放射線業務に従事する妊娠可能な女子の法定の3ヶ月間における許容被曝量。 |
7~20 | X線CT撮影1回分の被曝量。 |
50 | 放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)の1年あたりの許容被曝量。 この限度を超えると遺伝病のリスクが大きくなる。 |
100 | 放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)の法定の5年間、 もしくは1回の緊急作業における許容被曝量。 |
250 | これ以上の量を一度に被曝すると健康障害が発生する。 白血球の減少。 |
500 | リンパ球の減少。 |
1000 | 急性放射線障害。 悪心(吐き気)・嘔吐・水晶体の混濁(白内障)などを発症。 |
2000 | 出血・脱毛など。5%の人が死亡する。 |
3000~5000 | 50%の人が死亡する。 |
7000 | 99%の人が死亡する。 |
被曝
被曝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 02:14 UTC 版)
PETとCTを一体化したPET/CT装置を用いた検査の場合、1回の検査における放射線被曝は、23–26 ミリシーベルト(mSv)になる(体重70キロの人体の場合)。これに対し、放射線診療における代表的なX線検査での被曝量は、胸部 0.04mSv、腹部1.2mSv、上部消化管 8.7mSv、胸部CT 7.8mSv、腹部CT 7.6mSvである。日本では、人体は自然界から年間2.1mSv前後の被曝を受けている(2011年推定)。
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