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X線撮影

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/05/18 14:41 UTC 版)

(エックス線写真 から転送)

Alfred von Kollikerの手のX線写真。この画像は透視によるものであるためフィルムに写した場合と白黒濃度は逆になっている。動きを見る透視画像を行うときは2008年現在もこのような白黒反転した画像を見ることはある。

X線撮影(エックスせんさつえい)は、エックス線を目的の物質に照射し、透過したエックス線を写真乾板写真フィルム・イメージングプレートなどの検出器で可視化することで、内部の様子を知る画像検査法の一種である。

医療の他、空港の手荷物検査などの非破壊検査に利用されている。X線の発見者であるヴィルヘルム・レントゲンに因み、レントゲン撮影または単にレントゲンとも呼ぶ。医療従事者は X‐ray Photograph を略して X-P ともいう。

目次

原理

最も一般的に知られているX線撮影では、X線照射装置とフィルムの間に体を置き、焼き付けて画像化する。X線は感光板を黒く変色させるため、体がX線を通過させた部分では黒く写り、体がX線を阻止した場合には、その部分が白く写る。通常の診療では、前者の黒く写った部分を「明るい」、後者の白い部分を「暗い」と表現するが、これはすなわち、肺炎や腫瘍などでは、X線透過度が低くなってフィルムに白い影を落とすところからきた表現である。X線の透過度が高い組織としては皮膚や空気()、筋肉などがある。逆にX線の透過度が低いものとしてはや、組織をより明瞭に描き出すために入れる造影剤がある。

感光剤を塗りつけたフィルムの代わりにIP(イメージングプレート)を使う、CR(コンピューテッドラジオグラフィー)が今は主流である。またフィルムレスのX線写真も、大病院をはじめ普及しつつある。コンピュータX線撮影の項も参照。

医療分野での利用

レントゲンがX線を発見して以来、医療分野では、主に骨や肺の病変を描き出す画像診断として積極的に利用されてきた。主な利用法として以下のようなものがある。

骨折・骨病変の診断
レントゲンは骨病変の診断に最も有効であり、現在でも骨折の診断には最も有用な検査方法の一つである。特に頭部・頚部や四肢の骨折で有用性が高い。また骨粗鬆症骨塩定量にも用いられる。
歯科的診断
も骨の一種であり、歯科診療の領域では頻繁に利用される。
胸部X線
Chest X-ray(CXR)と呼ばれ、肺癌肺炎結核胸水気胸をはじめとし、非常に多くの肺病変の診断に利用されている。
腹部X線
Abdominal X-ray(AXR)(臥位ではflat plate)は、腸閉塞腹水、腹腔内、胆石尿路結石の空気の様子を診断するのに利用される。
造影X線写真
X線を通さない造影剤(バリウムなど)を経口・経静脈的に投与したのちに撮影することで、普通は描出されない消化管や血管の様子をも描出できる。造影剤を使わないX線写真は、造影X線写真に対して単純X線写真と呼ぶ。
透視
X線を連続的に照射し、テレビモニタを通じて映像を観察する。被曝量は多くなるが、病変によっては診断や治療に必要となる。

X線撮影に比べMRICTのほうが画像の有用性が高い場合もあるが、X線撮影は簡便性や経済性に優れており、現在でも検診など大部分の診療施設で用いられている。救急では、CTは従来は撮影時間が長かったが、ヘリカルスキャン、MDCTの登場で撮影時間が減り、単純X線写真の割合は減ってきている。また、放射光X線を用いたCTでは非常に細かい部分まで分かるので顕微鏡的な画像が期待されている。

頭部所見

塩胡椒(salt and pepper)
頭蓋骨に細かく粒径の不ぞろいな粒々が見えること。
打ち抜き像(punched out lesion)
多発性骨髄腫参照



[ヘルプ]
  1. ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』 p.236
  2. ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』 p.237


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